「 晩秋挽歌 」

 昨日の福島泰樹『弔い ──死に臨むこころ』ちくま新書では、彼が七年間住職を 務めていた沼津市柳沢妙蓮寺での生活と檀家とのふれあいが描かれている。 そこで書かれた一冊、歌集『晩秋挽歌』茱萸(ぐみ)叢書1974年を再び開く。

《 この集にあつめた作品は、七一年冬至の頃より七三年晩秋に至る二年間のもの であり、ひどく愛着ぶかいものがある。 》 「晩秋の辞」

 パンフレットの書き手は寺山修司立松和平そして塚本邦雄。三人とも鬼籍に。 寺山の文章から。

《  現実を遺棄して生きるをこれからの生活(たつき)と負うに酒滾るかな

   何と朗らかな冗談であることか。  》

 心がささくれ立つ時には北一明の玳皮(たいひ)白流茶碗を手にする。眼と手の 双方(視覚、触覚)で確かめていると、いつしか平穏になっている。この茶碗に酒を 注いで飲んだら……。上記を引用するまで思いもしなかった。やっぱり手にしてその 見込みの空漠の、濃密な景色に目を遊ばせるのみ。

 朝、グラウンドワーク三島の理事長たちと市役所で三島市長に面会。「泉トラスト運動」、一万人超の 署名簿をお見せする。豊岡市長は、三島梅花藻の里、奥の住宅用売り地四区画のうち 前面二区画を市で買うことを確約。残り二区画は、民間で購入予定。これで景観と 湧水の保全への目処が立った。
 http://www.gwmishima.jp/

 ネットの見聞。

《 バッハが晩年に作曲した「蟹のカノン(Crab Canon)」に隠された秘密がまさに天才的。 》
 http://corobuzz.com/archives/1183

《 国家権力を総動員して潰しにかかっている安倍政権に対して、人口で日本の1%ちょっとの 沖縄県民が互角のたたかいをしてる。これは本当に凄いこと。まさに民主主義の力を体現してる。 あとは、どれだけ本土からの後押しが加わるか。辺野古はもはや、日本の民主主義を守る 最前線になっている 》 布施祐仁

《 辺野古のゲート前で座り込みなんかしていると「将来に響くからやめた方がいい」とか 「物事、長い目で見て行動しないと」とか言われるけど、その言葉そっくりそのままお返ししたい。 辺野古新基地を許す事は私の将来にかなり響くし、長い目で見ているからこそ今座り込み しているんだってばよ。ばかちん。 》 MAKI

 ネットの拾いもの。

《 とある岩波文庫の本のアマゾンレビューに「上面の裁断がされていなくて不揃いでした」 で星2つのレビューがあった。 》

《 この三日間、自室の本を整理し四五百冊ほど移動を繰り返しても見つからなかったものが ダイニングの本棚にちょこんと置かれていました。 》