齋藤磯雄『詩話・近代ふらんす秀詩鈔』立風書房1972年初版を開く。最初はヴァルモオル夫人。 まず「サアディの薔薇」が紹介される。その解説冒頭。
《 先ずこの詩の隅から隅までふるへてゐる一つの感受性、──すべての絃が整へられた楽器の やうに敏感な、狂ひのない、微妙な感受性、──それは紛れもなく「女性」の感受性である。啻 (ただ)に主題のみならず、韻律、抑揚、音色の喚起する一切の魅力は純粋に女性の魅力である。 》
ヴァーノン・リー『教皇ヒュアキントス』 国書刊行会に呼応する、格調高い文章を求めていた。 ヴァルモオル夫人、ネルヴァル、ボオドレエル、マラルメ、ヴェルレエヌそしてランボオの六詩人が 紹介されている。『教皇ヒュアキントス』同様、ゆっくり味わいながら読むべき著作だ。 速読はもったいない。
《 かうして、主題がいはばヴィオラによつて奏でられる短調の賛歌「花冠せし冠」はフィナアレに 入る。 》
「ヴァルモオル夫人」の章を味わい、本を閉じ、今井信子のCD『ヴィオラ・ブーケ』をかける。 ヴァイオリンではなく、ヴィオラ。たしかに。
昼前、源兵衛川中流部、下源兵衛橋周辺の、取りきれなかったヒメツルソバを抜く。 というよりも太い根を切り取る。土のう袋一袋弱。一時間ほどで年越しの作業はやっと終了。
ブックオフ長泉店で三冊。吉田篤弘『圏外へ』小学館2009年初版帯付、谷川渥『美学の逆説』 ちくま学芸文庫2003年初版帯付、深水黎一郎『最後のトリック』河出文庫2014年22刷帯付、計324円。
ネットの見聞。
《 本来は、貧困や差別、搾取と闘い「テロを無くす」と言うべきだろう。 》