「大晦日」

 昨日の雨の歌で、キャンディーズの『その気にさせないで』1975年を挙げたかった。歌詞に雨は ないけど、ジャケット写真が雨かシャワーに濡れたよう。手元のEPレコードのジャケットはそそる。
 https://www.youtube.com/watch?v=NbNwQddjQzo

 私にとってキャンディーズは永遠のアイドル。東京のお嬢さんたち。生れも育ちも違うとはこのこと。 昨夜は『優しい悪魔』1977年を観てやはりレコードのほうが音がいいわと思いながら赤葡萄酒をグビ、グビ。 といっても二日酔いにもならず。介抱人がいなけりゃ、そりゃ呑めねえわい。
 https://www.youtube.com/watch?v=XDnLQsdxo-I

 んなことをつらつら思いながら朝カーテンを開けるとえらい曇天。洗濯物を干しに出たらポツポツ。天に通じたか。 結局洗濯物は乾かず。おいおい。
 ふっと本棚へ目が向く。近くのブックオフ四店を巡回していて気づいたこと。最近純文学の本がろくに見当たらない。 関心がないせいもあるだろうが、文庫で目にするのは太宰治夏目漱石くらい。一時よくあった箱入りの文学全集も 目にしない。棚に並ぶ前に処分されてしまったのかも。純文学は古本屋で、か。ま、私は不純文学が好き。 なことを書いたら、ミステリ作家芦辺拓ライトノベルに「新興文学」という呼称を発案していた。ブックオフを見ると 納得。
 世の中の価値観ががらっと変った気がする。それは文学といわず美術、音楽にも言えることのような。 二十代の人の嗜好、志向、思考はどうなのか、わからない。45年前の大人たちがそうだったのか。 世代間の分別は考えたくはないけど、なんかある気がする。昭和前期、中期、昭和後期そして平成、二十一世紀。 どの時に成人を迎えたか。そりゃ違うわ。違うのはいいけど、一世を風靡し、世代を超えて継がれるもの、 世代を超えられぬもの、世代をひとっ飛びして復活するもの(一例:河鍋暁斎)。流行、隆盛の消費期限、 賞味期限を思う。そして、それを評価し大切に保管する人が居てこそ復活できる。韮山反射炉もそうだな。

《 個々人の生涯は変転にみちているから、個々人の将来を、その人も、また他人も、大体予測はするけれども、 予測のはずれることもあり、また詳細を具体的に予測するのは困難であるから、個々の人の〈運命〉は、その人の 生涯が完結したとき、つまり死んだときに、初めて判定し、評価することができる。 》 中村元『自己の探求』 279頁

   他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆふぐれの水

 葛原妙子の名歌が浮かぶ。他界を身近に感ずるこの頃。他界にも煩悩はあるのだろうか。凡脳はここ。

 今年の私的トピックの一つ、東京新聞7月31日夕刊の北一明の記事「知人ら 記念館設立計画」「異端の陶芸家 北一明さん 業績に光」。東京での生活も難しくなり飯田市へ帰郷。2012年10月19日に息を引き取った。 北一明を知る人はいなかったようだ。2013年末、一応知られた。
 http://www.minamishinshu.co.jp/center/series/023.PDF

《 わわれの論述の重点は、むしろ「言文一致体」の明快な「啓蒙」性に絶えず背を向け、従って「進歩」「進化」 の肯定面を強調する「近代化論」の視角からは時代遅れと判断されても仕方がない森田思軒の、そしてとりわけ 中江兆民の文業が、その「反=近代」性と「反=啓蒙」性ゆえに発揮しえた批評的活力を、むしろ積極的に 顕彰しようとする企図にあった。それは、透明な理解を志向する合理主義の光明に抗して、遊戯的な迂回や 逸脱を厭わず、不透明な混濁によって理性の万能性を絶えず疑問に付す、戦略的なオプスキュランティズムのまとう 批評性である。 》 松浦寿輝『明治の表象空間』248頁「暴力──中江兆民(五)」

 オプスキュランティズムは「文学や芸術や思想などで、意図的に曖昧または難解な表現を使うスタイル、 のことを一般には意味する。 」とウィキにある。それにしても、明治14年と2014年が重なって見える。

 マーティン・ザザー唄う「コーヒー・ルンバ(モリエンド・カフェ)」をコーヒーのお伴に視聴。コロンビアの リズム、クンビアがいい味を醸し出している。
 https://www.youtube.com/watch?v=DD97YL3wZ-w

 ネットの見聞。

《 いい配管 》
 http://twibum.com/gallery/146

《 ゴージャス避難階段 》
 http://twibum.com/gallery/141

《 空はなにも持っていないのでいろいろな表現ができるんだな、とおもう。 》 水仁舎
 http://suijinsha.jugem.jp/

《 ジョン・ファウルズ原作の『魔術師』の映畫つて、駄作扱ひされてるけど、マイケル・ケインも出てるし 何とか観られないのかなあなんて、長年思つてゐたのですが、何の事はない、『怪奇と幻想の島』のタイトル でDVD化されてゐるのが、正にそれであつた。世の中、何が起こるか分からないものですね。 》

《 Iran's Walls of Kindness 》
 http://en.iranwire.com/features/6994/?utm_source=twitter-hootsuite
 不要品を壁に掛けて、欲しい人がもらっていく運動が、イラン全土に広がる。

 ネットの拾いもの。
《 紅白歌合戦なんか標的にされたら、ほぼ無防備だろうね。 》