「雨、雨、雨」

 昨日の記事の訂正一つ。ヴァーノン・リー『教皇ヒュアキントス』国書刊行会は、沼津市のギャラリー・ カサブランカの女性オーナーから恵まれた。その表紙を飾っている林由紀子さんの個展が、カサブランカで 来年一月一二日から催される。
 http://www4.tokai.or.jp/g-cb/index2.htm

 ネットで話題になるとその本に手が伸びる。先だっては海野十三の短編『浮囚』1934年(『海野十三集』 ちくま文庫2001年初版収録)を読んだ。

《 美人妻を身体損傷・改変する猟奇変態怪作 》

 長編『蠅男』1937年(講談社大衆文学館文庫1996年初版)の元になった。この路線の最近作が、京極夏彦魍魎の匣』か。

 晴天か続いている。雨の歌を聴きたくなる。
 丸山圭子「どうぞこのまま」
 https://www.youtube.com/watch?v=Zr2JWTsxqlg
 太田裕美「九月の雨」
 https://www.youtube.com/watch?v=SptbQ7WwQLo
 八神純子「みずいろの雨」
 https://www.youtube.com/watch?v=nO5h9g2ej9U
 小林麻美「雨音はショパンの調べ 」
 https://www.youtube.com/watch?v=S_V-Cta-Pgw
 稲垣 潤一「ドラマティック・レイン」
 https://www.youtube.com/watch?v=mbNwREa7lFM
 中村雅俊恋人も濡れる街角
 https://www.youtube.com/watch?v=fQuigm02wjk
 竹内まりや「駅」
 https://www.youtube.com/watch?v=vKpIqKq3-2s
 桑田佳祐「東京」
 https://www.youtube.com/watch?v=QNJgwpBOt3c
 「東京」はCDで全曲聴くと効く。昏い情念は底なしの深みへ沈んでいく。
 藤圭子唄う「あなたのブルース」
 https://www.youtube.com/watch?v=QIbNiLhLykY
 藤圭子唄う「柳ヶ瀬ブルース」
 https://www.youtube.com/watch?v=1DGxynrHJUA
 いかんいかん、酒に溺れる。

 んなことでお茶を濁している。今読んでいる松浦寿輝『明治の表象空間』新潮社2014年がやたら面白く、 じっくり(なかなか進まない)読んでいるので、他のことに手が回らない(他のこと? 何かあったかなあ)。 明治45年を1970年〜2015年の45年(46年か)に照応させる。じつに興味深い。
 福沢諭吉中江兆民の著作の鮮やかな読解から明らかにされる(私にとって)人物像。目の覚めるような論述だ。 筋道たった文章は明晰でとても読みやすい。が、著者の洞察は時代の深層構造まで達しているので、一般人の私は なかなか進まぬ。また、俎上に上った『福翁自伝』を読みたくなり、『三酔人経綸問答』の再読へ追い立てられる。 私は何を読み取っていたのか。

《 言うまでもないことであるが、明治初年から十年代の時点で、日本がいかなる国家となるべきかという問いを めぐって、正しい選択とは何かなど誰にもわかっていなかったし、実のところ今日なおわかっている者など いはしない。存在したのは、そして今なお存在しているのはただ、その問いへの返答として発信された無数の 正論だけである。それら正論に内在する恫喝的な権力性に抵抗したのが中江兆民である。正論に対して懐疑を、 「啓蒙=光」に対して不透明な混濁を差し向けようとしたものが彼の言説的実践であり、そこから産み落とされた もっとも強力なテクストこそ『三酔人経綸問答』にほかならない。 》 219頁「正論──中江兆民(三)

 ネットの見聞。

《 世界的アーティストなのに…フジテレビが「フェラ・クティ」を知らず大炎上 キンコメ高橋逮捕報道で 》
《 新聞もフェラ・クティ知らんのかい、ちゅうか調べようともせんのかい。軽減税率の資格なしやな。 》
 http://matome.naver.jp/odai/2145127230257804201?&page=1

 っまあ。反骨の闘士フェラ・クティのCDは四枚持っている。息子たちのCDも。父親ほどではない。
 https://www.youtube.com/watch?v=z8Lz0PY_2-g

 ネットの拾いもの。

《 ダヴィド・ラーゲルクランツ『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を読む予定。しかしこの時期に 『蜘蛛の巣を払う女』って煤払いか大掃除かにしか見えんな。<そんな話ではない。 》

《 諸般の事情により、大掃除は明日に延期。最大の理由は面倒なことは先のばし。 》