『かたち誕生』ニ

 杉浦康平『かたち誕生 図像のコスモロジー』NHK出版1997年初版を少し読んだ。胎蔵界曼荼羅金剛界曼荼羅が簡明に解説されていて、わかりやすい。 いつか深く知りたいと思いつつ歳月が過ぎていた。本棚から『日本の美術55 曼荼羅の美術』小学館1979年初版を抜く。四十年目にして開眼? 買っておくものだ。

《  この現象は、オーストリア生理学者・物理学者のE・マッハが発見したもの。「マッハ・バンド」という名で知られています。暗いグレーと明るいグレーが 隣りあう境界面、その片側はより暗さが強調され、もう片側は明るさがいっそう強調される。つまり明暗の差がはっきりと強調され、認識される。
  じつはそのことによって、境界「面」が「線」的に浮かびあがって見えることになる。「面が線」に変化する…。 》 110-111頁

 知りませんでした。

《 からだの動きが、線を生みだす。また眼球の運動それ自身が、対象を線で見とっていく。さらに、眼球の奥に並ぶ光に感応する視細胞たちが線に対して鋭敏であり、 線の誕生を助けている…。 》 112頁

《 線が生みだす生き生きとした「かたち」は、このように、人間の身体の内部の動きと深く結びつく。人間の身体と線の誕生との深いかかわりが、こうした例からも 読みとれるのではないでしょうか。 》 112頁

《 線、あるいは線がもつ描写力がこの世の森羅万象を写しとり、魅力的なかたちを生みだしつづける。 》 117頁

 昨日白砂勝敏さんが届けてくれた作品は、金属の線がじつに魅力的。運搬用に板で囲ってあったが、それがまた作品になっている。その魅力を詳しく書くには時間が ないが、
” 板のない時は西洋美術からの連想が働きましたが、板が加わることで逆転、日本美術へと転回しました。 ”
” 『誰か袖図屏風』サントリー美術館蔵のこだまを感じました。
   https://www.suntory.co.jp/sma/collection/gallery/detail?id=555 ”
 と書いたら、きょう彼から届いた返事のメールには
”  誰が袖図屏風たしかに似てるというか同じだと感じました。
  何が同じかわかりませんがただそう感じました。
  全然関係ないのに不思議な感じです。 ”
 いずれ氏のウェブサイトに掲載されるだろうそれを床の間に置いて鑑賞している。

 新聞折込広告、某ホームセンターの灯油の宣伝文句「灯油 地域一番価格で販売中!!」。何が一番か。価格が一番安い。いや、一番高いかも。

 ネット、いろいろ。

《 21世紀なんてものは、千年とか経った32世紀とかから見たら、特別に突出している時代でもないだろうし、まして頂点でもない。 それでも残るものがあるとしたら、やはり「普遍」を湛えたもの以外にない。四万年の芸術を眺めながら、自分はそう思いますな。 》 布施英利
 https://twitter.com/fusehideto/status/1050015908448456704

《 人間にとって最も分かりやすい、秩序だった法則性というのは天体の運動のように遠い外部にあって、人間はその秩序を内面化してきたのだが、 小さな異世界は内側にあって無秩序に満ちている。むしろ、この無秩序をこそ外部化しなくてはならない。 》 清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/1050652443250327552

《 物事に一線を引く、というのはつねに不合理であり、合理的に考えると境界線は揺らぐ、いや、ない、という話になる。全員がマイノリティかつ マジョリティになる。一元論は合理主義の帰結。だが、境界線の不合理性がなければ、現実的に困ったことになると思う。この問題は深い問題だ。 》 千葉雅也
 https://twitter.com/masayachiba/status/1050599431421083648

《 もう連休も終わったのに、まだ安倍は“外遊”に出掛けるのか。今年の初めまでで既に60回を超え、その費用だけでも120億円を超えている。 加えて外遊時にバラ撒くカネを考えれば、もはや国が傾きかねない。消費増税よりも安倍の出国禁止が先だ。 》 日本国黄帝
 https://twitter.com/nihon_koutei/status/1049890415711793152

《 もう手帳刷って販売しちゃってるのに…なんでもっと早く決めてくれなかったの…とカレンダー屋さんは死にそうな気持ちです…… 》 ムーンプランナー【公式】
 https://twitter.com/moonplanner/status/1050573934024843265