幸せそれとも不幸せ

 昨晩のテレビニュース、福田・小沢の党首討論は面白かった。福田「権力の乱用だ」、小沢「既得権益ダメ」が、静岡新聞の見出し。討論が闘論になるまでもっとやれ〜、だ。NHKテレビ「クロ−ズアップ現代」は、石原都知事新銀行東京への400億円投入について、国谷キャスターが突っ込んだ質問を投げかけて、石原はゴマカシ・ハグラカシの逃げの一手。醜態を晒した。張子の虎だね、まるで。と、笑っていられない問題だが。質問力が印象に残る珍しい一日だった。

 小雨なので徒歩で美術館へ。毎日新聞昨夕刊、梅津時比古「音のかなたへ」のお題は「春の雨」。
「年代や今の状況にかかわりなく、幸せとは、すでに過ぎてしまった時間へ向かっていく思いのなかに生じるものという感慨に襲われた。」
「過去に良い時があったかそうかではなく、取り返しのつかない時間を取り戻そうとする、その不可能性のなかに幸福はほの見えるのであろう。だからこそ、幸福にはもの悲しさもつきまとう。」
 幸せ、幸福ってあんまり考えたことがない。トルストイアンナ・カレーニナ」の有名な冒頭。
「幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸なおもむきが異なっているものである。」

 幸田露伴には「貧乏」「雁坂越」「突貫紀行」といった、不幸と似かよった状況を描いた短篇がある。「突貫紀行」は北海道から東京までの貧乏旅行を描いたもの。
「他年のたれ死をする時あらば大抵かかる光景ならんと、悲しき想像なんどを起こすようなりぬ。」
 と歎く旅であったが、そこを笑い飛ばすのが彼の本領。

  からからとからき浮世の塩釜で
      せんじつめたりふところの中

  宮城野の萩の餅さえくえぬ身の
      はらのへるのを何と仙台

 以下の時事ネタ、座布団一枚。
チベット五輪の消火リレーが空前絶後の盛りあがりを見せている。」