新聞連載小説

 先だって毎日新聞夕刊連載、宮部みゆき「英雄の書」が終えた。
「旅は、まだ続きます。」
 と17日夕刊に彼女が書いているように、異世界ファンタジーは、終わりがないなあと思う。
 静岡新聞15日朝刊から司修(作・絵)「蕪村へのタイムトンネル」が連載されている。私小説のような体裁。司修は、彼の文と絵による「魔女の森」サンリオ1975年が私の持っている最も古い絵本だが、同じく彼の文と絵の「不思議な館」サンリオ1977年、同じく「幻想童話館 青猫」東京書籍1985年、萩原朔太郎の詩に絵を寄せた「エレナ!」小沢書店といった本を玩蔵している。味戸ケイコ、宇野亜喜良に次いで好きな挿絵画家だ。
 連載冒頭の舞台大井川から連想して「紅水仙講談社文庫1990年を繙いた。ここには安倍川が出てくる。「あとがき」から。
「小説ともエッセイともつかない文章を母をモデルにして書いた。」
 今回の連載もそのような文章だ。連載を読み続けるかどうかは、書き出しと挿絵による。司修本人が私好みの挿絵を描いているので、今は読んでいる。毎日新聞朝刊の連載小説では宇野亜喜良が描いているけれど、私好みの絵が少ないのでもう読んではいない。

 永井荷風「墨東奇譚」は、昭和十二年四月十六日から六月十五日まで、東京朝日新聞夕刊ほかに連載された。そんな解説のある岩波文庫で「墨東奇譚」を再読。三十年ほど前、木村荘八の挿画に惹かれて購入、読んだ。
「創刊当時の文藝倶楽部か古いやまと新聞の講談付録でもあれば、意外の掘り出し物だと思わねばならない。」
 に今は反応。

 ブックオフ長泉店に買いたい本がないので、昨夜はブックオフ三島徳倉店へ。有栖川有栖「迷宮逍遥」角川文庫2006年初版、笹沢左保「人喰い」双葉文庫1995年初版、野島秀勝「迷宮の女たち」河出文庫1996 年初版、計315円。