おさがしの本は

 自転車で来て一息入れたら……ざあざあ雨。

 門井慶喜『おさがしの本は』光文社文庫2011年初版を読んだ。小池啓介の解説から。

《 門井慶喜の小説を読むと、びっくりさせられて──そのあとに豊かな気持ちが生まれる。 》

 N市立図書館にある本の森、海から一冊の本を探し出す、リファレンス・カウンターが遭遇する様々な出来事からなる五編。そして図書館の存続問題に立ち向かう一介の職員。一昨日取り上げた大阪中之島図書館廃止問題 が重なる。本は大好きだけれど、地元の図書館は好きじゃない。開館時間が短い、から始まって理由はいくらでもある。

《 しょせん図書館など知の宝庫ではない。単なる無料貸本屋か、そうでなければコーヒーを出さない喫茶店にすぎないのだ。少なくとも市民の目にはそうなのだ。 》「図書館ではお静かに」

《 とはいえ林森太郎は、単なる地方の一教師ではない。博文館、金港堂(きんこうどう)といった当時の東京の一流出版社から本を出し、全国的に名の知れた著作家でもあった。 》「図書館ではお静かに」

 博文館、金港堂から出ている明治の本は何冊か所持している。綺麗な木版画が付いている。明治二十年〜三十年代の木版画事情は、今もってよくわからない。明治期の口絵木版の英文の研究書の一部を翻訳したとき、時間をやりくりして明治期の人物を調べに図書館を利用したけど、ほとんど役に立たなかった。が、ネット検索よりも紙の検索のほうが情報域が広がってゆくことを実感。

 それにしても、武田泰淳『異形の者』がそれほどに読まれていなかった、とは。学生時代に読んで、いまだに脳裏に焼きついている。『ひかりごけ』よりよっぽど凄い。

 ネットの見聞。

《 本当は、ハッキリと「消費税の増税で何兆円の税収が増える」と選言して、それが違ったら責任を取るのが良いのですが、多くの専門家は予想が外れることを恐れて発表しません。民主党自民党も同じです。 》 武田邦彦

《 原発再稼働決定、ダウンロード処罰化、消費税増税法案可決へ。ここにきて事態の悪化に急激な加速がかかり始めてないか…。 》 椹木 野衣

《 国民に対するクーデターが起きている。戦争突入の時と何が違うか。 この実力行使、法を無視した、手続きを無視した実力行使、原子力に関しては、それが延々と続いて来た。 》 平智之衆議院議員

 ネットの拾いもの。

《 何度天気予報を見ても雨。 》

《 天気予報とは、いわば、一種の推理。》

《 小僧寿しはなぞの店 → 小僧寿し花園店 》