怖い絵

 久世光彦『怖い絵』文春文庫1997年初版を読んだ。内外の絵を題材にした九短編から成る。私の好きな絵もある。ビアズリーの『サロメ』、フェルナン・クノップフの『ブリュージュ』、ベックリンの『死の島』などなど。数点描かれた『死の島』で、この本ではバーゼル美術館収蔵の絵が取り上げられている。二つの絵の構図はほぼ同じだけれども、細部はかなり異なっている。最も大きな違いは、バーゼル蔵では白装束の男は直立して正面を向いているが、ライプティヒ蔵では、立つ男は俯いている。これは本質的に違うと思う。私の心に深く刻まれた『死の島』は、ライプティヒの美術館収蔵の絵。

 そして、この白装束の立像は、今展示中の下山昇氏の白木の彫像に通じる。

 その文庫に挟んであった毎日新聞の切り抜き。「発掘物の年代測定法 福井の湖 活用し精度向上」。

《 発掘された物の年代を、過去五万年間で誤差170年という極めて高い精度で測る「物差し」を、中川毅・英ニューカッスル大教授(古気象学)ら日欧のチームが作製し、19日付の米科学誌サイエンスに発表した。福井県にある水月湖の湖底が役立った。 》

《 中川教授は「世界一、精密な時計ができた」と語る。 》

 きょうも十時直後から続々と来館者。毎日百人ほどの入場。駐車場から溢れっぱなし。きょうも午前中で五十人を軽く超えた。午後二時、なんとか昼食。午後五時を過ぎてやっと一息。前半終了〜。

 ネットの拾いもの。

《 ももクロが紅白に初出場。デビューが2009年。「ももクロ3年」ですね。  》