「紅一点論」

 一昨日の高野和明『幽霊人命救助隊』は男三人女一人。斎藤美奈子『紅一点論』 ビレッジセンター出版局1998年初版を読んだ。やはり面白い、眼から鱗が 落ちる。明解な分析が、竹を割ったようなさっぱりとした文章で軽快に 綴られている。前半のアニメの分析、後半の伝記の分析、それぞれ鋭い。

《 紅一点のヒロインとは、「ひとりだけ選ばれて男性社会の仲間に 入れてもらえた特別な女性」のことである。 》 7頁

《 アニメの国のヒロインは、「魔法少女」「紅の戦士」「悪の女王」 の三タイプに分類できる。アニメの国は、現実の大人社会を反映している。 》  41頁

《 さまざまな男女比の組織やチームが当たり前に存在するようになったとき、 はじめて私たちは男女比なんていう瑣末事にわずらわされなくなるだろう。 》  「あとがき」
 『紅一点論』、副題は「アニメ・特撮・伝記のヒロイン像」。帯の文から。

《 『ナイチンゲール』はナウシカである、 》
《 『キュリー夫人』は『セーラームーン』である、 》
《 『ヘレン・ケラー』は『もののけ姫』である。 》
《 『宇宙戦艦ヤマト』のチームは高校野球である、 》
《 『機動戦士ガンダム』のチームは大学全共闘である、 》
《 『新世紀エヴァンゲリオン』のチームは腐った家族である。 》
《 『未来少年コナン』は農業国VS工業国の戦いである、 》
《 『風の谷のナウシカ』は文明VS自然の戦いである、》
《 『もののけ姫』は悪しき文明VS自然の戦いである。 》

 午後一時間ほど、高校生五人と付き添いの先生方を源兵衛川へ案内。最上流部 から川へ入り、川くだり。先方をカルガモの家族が行く。それからちょっとゴミ (茶碗のカケラ)拾い体験。面白かったようで、やれやれ。

 ネットの見聞。

《 誰もが役に立たない/使えないと思うようなことを製品化・商品化するのが 創造的あるいはイノベーティブな人なので、「そんなこと役に立つのか?」 ということを争点化する時点で「自分には創造性がありません」 と言うようなもんだよな。 》 ESHITA Masayuki

《 ジョン・ケージは日本製の電気ポットを愛用していたが、 その理由がお湯が沸くときにすばらしい音をたてるからだという。 あまりにいい音なので同製品を買い足したが、そちらはいい音がしなかったので、 ジョン・ケージはメーカーに「故障している」とクレームをつけたそうだ。 メーカーもいい迷惑である。 》 稻本義彦

 ネットの拾いもの。

《 「エヴァまつり」っていうのは、エンディングに「エヴァンゲリヲン音頭」 でも流れるんですか? 》

《 誰だーカレンダーの予定欄に打ち上げって書いといてくれって頼んだのに 打ち切りって書いたやつはー 》