『レンマ学』十三(閑人亭日録)

 中沢新一『レンマ学』講談社二○一九年八月六日 第一刷発行、「エピローグ」を読んだ。簡明にまとまっている。

《 「レンマ学」は粘菌と『華厳経』の出会いから生まれた「心の学」である。(引用者・略)
  『般若経』などにたくみに表現されているように、あらゆる存在物は固有の自性を持たず、縁起の理法によって相依相関しあっている。それゆえそこには死もなく生もない。 》 326頁

《 五億数千万年前に地球上に出現した中枢神経系を持つ生物群のみならず、それ以前から生存した脳も中枢神経組織も持たない夥しい種類の原始的な生物も、この有情の仲間である。これら有情の「心」を「法界」と呼ぶ。
  「法界」は全域が知性である。その知性のほんらいの機能は、脳と中枢神経系を備えた生物において表面に現れている「ロゴス的知性」とは異なるもので、線形的な秩序にしたがった情報処理ではなく、全体が相依相関しあい局所的情報が即座に全体に波及している非局所性などの特質を備えている。私たちはロゴスの前駆形態をなすこの知性を「レンマ的知性」と呼ぶことにした。生物の心をつくる「法界」は、このレンマ的知性によってすみずみまで充填されているのである。 》 326-327頁

《 意識とは「分別」である。それは「法界」に「自己」と「非自己」を差別する働きが生まれた瞬間に発生する、「法界」の変容した様態(事法界)にほかならない。したがって、粘菌のような脳も神経系も持たない原始的な生物であっても、「法界」ほんらいの機能である「レンマ的知性」をプラットフォームとして、その上に生物特有の「ロゴス的」な知性活動をおこなうことが可能である。
  現代生物学における粘菌研究は、目下この事実を次々とあきらかにしつつある。 》 327-328頁

《 レンマ的知性としての本質を持つ「法界」という土台なしに、「物質からの意識の発生」を理解することはきわめて困難である。 》 331頁

 午後、友だちと、彼女が世話をしていた元気で長生きのインコが早朝に亡くなったことを、購入したペットショップに行き、店主に伝える。雛が入荷したら買う(飼う)つもり。

 ネット、うろうろ。

《 ウクライナ戦の教訓はイノベーションを起こさなければならないということ。

  官僚的な西側の軍隊は、戦場の問題に新しい技術的解決策を迅速に適用するには「遅くて重すぎる」。

  革新は、国民が自分が持てる技術(アプリ開発3Dプリンター、ドローン等)を使って軍を支えていることで起きている。 》 mssn65
https://twitter.com/jpg2t785/status/1610525576699482112

《 〈社説〉国防と報道 「非常時」の歴史に学ぶ 》 信濃毎日新聞デジタル
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023010500105