『レンマ学』四(閑人亭日録)

 中沢新一『レンマ学』講談社二○一九年八月六日 第一刷発行、「第四章 脳によらない知性」を読んだ。じつに内容豊富。メモ。

《 レンマ的知性はなにかの空間性を備えている。それはなにかを容れる器としての実体的空間ではないが、空間性の原基のような「広がり」を持っている。『華厳経』ではそれを「法界」と呼んで、その内部構造や運動様式などを詳しく研究した。 》 78頁

《 レンマ的知性は、ロゴス的知性を複雑高度に発達させたからといって、生まれるものではない。 》 79頁

《 それは、非時間的な縁起の理法によって作動するレンマ的知性と、時間を介して線形的な情報処理をおこなうロゴス的知性とが、根本的に異質な知性であだからである。レンマ的知性をロゴス的知性に落として変換するのは難しくないが、ロゴス的知性からレンマ的つ知性を生み出すことはできないのである。 》 79頁

《 しかし、世界の出来事が時間を介して現実として顕現するまさにその瞬間に、まったく同じ場所で、レンマ的知性の宿る法界が活動している。現実世界もまた法界の部分にほかならない。その現実世界とも相即相入しながら、法界の全体運動は一瞬も止むことなく続けられる。人類の脳はそこに挿入されている極小のロゴス型観測装置にほかならない。 》 97頁

《 知能の高さという点に関して、脊椎動物の頂点に人間が置かれるとしたら、無脊椎動物の頂点にはタコが置かれるであろう。 》102頁

《 生物の進化はレンマ的知性の充満する「法界」の相即相入を原理とする全体変化によって起こされたのである。そこには優劣の序列はない。このような「華厳的進化」の視点に立つとき、中央集権型神経系による人間のロゴス型の知性は、むしろレンマ的知性の活用において多くの限界を抱えていることがはっきり見えて来る。しかし限界があることは、そこに「開け」への可能性もあるということである。レンマ学はその可能性に向けて開かれた実践知をめざす。 》 104-105頁

 二十世紀末に話題になった「複雑系(複雑性)の科学」を思う。線形と非線形非線形への親近感。

 ネット、うろうろ。

《 マルセル・グリオール&ジュルメーヌ・ディテルラン『青い狐』
  https://1000ya.isis.ne.jp/1554.html
  ぼくが教えを承けたセヌフォ神話でも、老師は語りながら地面におびただしい砂絵を描いた。神話は図像とともに記憶されている。だから「無文字文化」などと「文字」基準で呼ぶのは間違いで、イメージ文化である。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1607215478468128773

《 ♡ いやほんと。90年代の中頃たまたま某美術館の企画で草間彌生と一緒になったが、自分のテキストに「現代美術の水先案内人をしてきた私」といったフレーズがあって、草間彌生って非常に自己評価の高い自己顕示欲の強い人だなぁとその時改めて感じた思い出) 》 大野左紀子
https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/1607544196919103490

《 自民党統一教会汚染がこれほど明らかになっても嫌韓ネトウヨが全く騒がないのは、嫌韓ネトウヨ自民党の指示で動いているってことだよね。 》 極端流形式仕様 初代𝕍𝕚𝕖𝕟𝕟𝕒𝕋𝕒𝕝𝕜𝕖𝕣
https://twitter.com/tomooda/status/1607569094739623937

《 来年で10年が経つけれど楽しみだ。
  政治は結果だと、誰かさんは言っていた。 》 M16A HAYABUSA
https://twitter.com/M16A_hayabusa/status/1607240976724283392

《 おつしゃる通りだと思います。武器増やしたところで誰がそれを手にとって戦うのと言うのでしょう?賛成派の人達が積極的に戦ってくれるなら別ですが、どうせね… 》 いがroom
https://twitter.com/konatsu06061105/status/1607511592681508864

《 竹田裁判でこちら側が完全勝訴したことで、裁判所は竹田恒泰に「訴訟費用の支払い」を命じました。

  支払われる金額は、2万6250円。これだけ。竹田恒泰が始めた2年5か月の裁判で「支援する会」の基金から出していただいた裁判費用は、完全勝訴でも244万4267円。「スラップ訴訟」とはこういうことです。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1527514233222885376

《 山崎雅弘さんの「裁判戦記」の原稿が届いたので拝読。山崎さんにとってほんとうにたいへんな裁判闘争だったということがわかります。でも、この裁判については完全勝訴という事実も含めて大手メディアはほぼ黙殺しました。そして差別主義者と裁判所に認定された人物がいまだにメディアに露出している。 》 内田樹
https://twitter.com/levinassien/status/1607238905774080002

《 裁判の経緯をきちんと報道してくれたのは東京新聞、神奈川新聞、時事通信くらいでした。「スラップ訴訟は間尺に合わない」という事実を市民に周知して、勇気づけることもメディアの大事な仕事だと思いますけれど。誰かに遠慮しているんですか? 》 内田樹
https://twitter.com/levinassien/status/1607239536609984515