『戦争と日本』二(閑人亭日録)

 水木しげる『漫画で知る「戦争と日本」 ─敗走記篇─』マガジンハウス 二〇二二年七月二八日 第一刷発行、後半を読んだ。ふきだしから。

《 昔の軍隊では
  なぜなぐられるのか
  ということを
  考える必要はない
  タタミと
  兵隊は
  なぐれば
  なぐるほど
  よくなるという
  伝説があり、
  古兵(こへい)はなぐるのが
  一つの仕事なのだ 》 「地獄と天国 前編」 264頁

《 おまえは
  日本が
  ポツダム宣言
  受諾したことを
  知らんのかーッ 》  「地獄と天国 後編」 294頁
《 なんです
  ボタモチ宣言って 》 同

《 ぼくはなによりも
  われわれとは
  別の「考え方》をした
  土人という人間が
  この地球にいるということを
  知ってびっくりした…… 》 同 302頁
《 それは
  この地球に
  生きるには
  あの野生に満ちた
  土人の生活こそが
  マトモな生活では
  なかろうかと
  いうことだ。
  文明社会は
  病んでいる 》 同 302頁

《 戦前の
  日本には
  隣近所と仲よく
  するという考えは
  なかったようです
  おれは強いから
  「支配」するのだ
  という考えだった
  ようですネ 》 「戦争と日本」 311頁

《 そのころは
  中国人を
  「チャンコロ」
  といい 》 同 311頁
《 朝鮮の
  人を
  「チョーセン」とよんで 》 同 311頁
《 ばかにして
  いました
  ネ 》 同 312頁

 最後の「戦争と日本」は、ねずみ男のふきだし。
 水木しげる『戦争と日本 ─敗走記篇─』、読了。重い。
 マンガ家故つりたくにこさんの夫、高橋氏からショート・メール。
 《 スペイン語版の契約をしました。 》
  嬉しい知らせ。イタリア語、英語、フランス語、ブラジル語そしてスペイン語つりたくにこさんのマンガは世界を巡る。  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%AB%E3%81%93
 屋上から青富士の全景が見える。美しい稜線。見惚れる。