『死霊 七章《最後の審判》』(閑人亭日録)

 埴谷雄高『死霊 七章《最後の審判》』講談社 一九八四年一一月二六日 第一刷発行、前半を読んだ。復活したイエスへの弾劾が延々と述べられる。

《 いいかなイエス、死を怖れて、新しい生へと『復活』したところのそのお前がまだ飢えつづけて、まず真っ先の振る舞いとして、焼き魚を口にいれたとき、食われる魚の悲哀、そして『復活』してまでもなお「食わざるを得ない生」の底もない悲哀を──嘗て、「ひとの生くるはパンのみに由るにあらず、神の口より出ずるすべての言葉による」と荒野でいみじくも述べたお前が、それらの深い悲哀の一片だにしなかったのは驚くべきことだ。 》 48頁

 続いてサッカ(釈迦)へ弾劾は向けられる。疲れたあ。明日へつづく。