歌仙

 朝、電話で問い合わせして来館された女性は「いい美術館ですね。大きいですね」と感想を述べられた。大きいと言われたのは初めて。小体な美術館だと思っているけど、人によって印象は異なるものだ。

 フリーペーパー「南大分マイタウン」を20年出している知人は、先月から歌仙を載せている。今回は「還暦の巻」。初句と付け句。

  還暦や客持ちよりて河豚汁(ふぐとじる)  香女尼
   恭なさの炭を継ぎ足す  辛止散人

 河豚汁は味わったことがない。「恭なさ」は「忝(かたじけ)ない」の誤植の気がする。結びの二句。

  十余年諸国巡りて郷(さと)の蜷(にな)  辛止散人
   ヒッチハイクも亀の鳴くまで  柏老亭

 胸にじいんと迫る。なんてえらそうなこといっちゃって。辛止散人こと御沓幸正氏の短歌(狂歌?)が別欄に載っている。

  新しく『愚痴聞き地蔵』の祀られて次から次へ参拝続く

 ブックオフ長泉店で二冊。芦原すなお「月夜の晩に火事がいて」創元推理文庫2005年初版、我孫子武丸田中啓文牧野修「三人のゴーストハンター」集英社文庫2003年初版、計210円。ついでにコーヒー豆店へ足を延ばす。豆を買うのは今年初めて。私用の小型冷蔵庫にはアルコール類が何も無くスッキリしたもの。コーヒー豆が加わってもガラガラだ。本でも入れようかな。