これでも小寒

 今朝も畑は一面霜柱。寒。これでも小寒かあ。
 紀田順一郎古本屋探偵登場」文春文庫1985年、瀬戸川猛資の解説「人は本のみにて生きる」に、紀田の考える愛書家(ビブリオマニア)の特徴が、瀬戸川によって手際よくまとめられている。

★新聞を常に下から読む。書籍の広告欄からである。そこに面白い本がなければ、その日の世界にめぼしいニュースはなかったということになる。
★永遠の彼方にある憧憬の書物を想像するかのような眼つきをしている。
★天変地異の場合には、家族よりもまず書物の心配をする。
★貸した金は忘れても、貸した本は死ぬまで忘れない。
★幻想あるいは夢のうちに、書状様のものが出現する。
★書籍代に家計の80パーセント以上を費し、ついには家庭生活を破壊せしむる。等々。

 後の二項目は私にはないな。夢には出てこないし、妻子はいない。しかし、前の三項目は……当たらずとも遠からず。ビブリオマニア→書痴は大辞林第二版では「読書ばかりしていて世事にうとい人」とある。読書ばかりしていないのに世事にうとい私は……。

 ブックオフ長泉店で四冊。金子光晴「女たちへのエレジー講談社文芸文庫1998年初版、「小松左京ショートショート全集 1・2・3」ケイブンシャ文庫1998年初版、計420円。