悪女

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。鹿島茂「悪女の人生相談」講談社文庫2008年初版、ジル・チャーチル「カオスの商人」創元推理文庫2009年初版、計210円。前者は単行本で読んで面白かったので、どなたかへの贈呈用。悪女なんていうと「宿命の女」を連想するけど、鹿島茂の定義では悪女の反対語は馬鹿女。

≪悪女とはクレバーな女を意味するということです。クレバーな女が悪女だから、その反対語は馬鹿女になるということです。≫(まえがき)

 この人生相談が、並の人生相談とまるで違った地平にあることは、林真理子が解説で具体例をあげて強調している。

≪これほど人生の深淵を知った人、男をわかっている人の言葉を私は他に知らない。≫

 林真理子は結ぶ。

≪ ところでここにもうひとつ、

 「フランスと違って、中年女を評価しない大馬鹿男」

  の一項を加えていただけたら、私はもう言うことがない。≫

 後者はユーモア・ミステリ、主婦探偵ジェーン・シリーズの十作目。こちらは題名が笑える。「ゴミと罰」、「毛糸よさらば」、「死の拙文」、「クラスの動物園」、「忘れじの包丁」、「地上(ここ)より賭場(とば)に」、「豚たちの沈黙」、「エンドウと平和」、「飛ぶのがフライ」。どれも名作、ベストセラー、話題作のもじり。当時話題になって買ったエリカ・ジョング「飛ぶのが怖い」新潮文庫なんか未だに読んでない。ウィキペディアにはもじりの元の題が記されている。

 きょうは三島の水辺の案内で、午後二時閉館。