のんびり過ごす。寒さが緩むと、とたんに気もそぞろ。夕食後、一月ぶりにブックオフ三島徳倉店へ自転車を走らせる。小林信彦『紳士同盟ふたたび』扶桑社文庫2008年初版、清水義範『全国まずいものマップ』ちくま文庫2009年初版、計210円。
阿部美智子歌集『風の伽藍』雁書館1980年を読んだ。北海道岩見沢の人。
《 たちまちに快楽(けらく)はすぎて眠るべく泣くべく白きシーツひきあぐ 》
《 弓なりに反りゆく痛さ愉しさの身をうつ言葉なほも聞かせよ 》
《 ほの白く辛夷は浮ぶ水のうへ水より昏き空のしじまに 》
《 つつみきれぬ愛の量とはかくのごと熱き重き男のからだ 》
《 バイバイ 常のそぶりに別れ来て影のやうに歩む雪降る街を 》
《 とある刹那風の伽藍にひとりなりこころ聾する秋のもろごゑ 》