ふがいない僕は空を見た

 窪美澄(くぼ・みすみ)『ふがいない僕は空を見た』新潮社2011年24刷を読んだ。初めての作家のものは、ちょっとドキドキする。肩透かしもあるし、ど真ん中もある。五篇収録。最初の題は「ミクマリ」。漢字では「水分」。分水嶺のこと。四半世紀前、年上の知人が構成レイアウトをした、小体で簡素な作りの俳諧誌『水分』で読み方を知った。昨日、彼の別れた奥さんが来訪。近況を語り合った。
 「ミクマリ」。高校生と三十路の人妻の出会いと別れを描いた短篇。上手いなあ。結末で語り手の高校生が、彼とは無関係な赤ん坊を見て言う。

《 おまえ、やっかいなものをくっつけて生まれてきたね。 》

《 赤んぼうといっしょにおれも声をあげて泣きたかった。 》

 「ミクマリ」で登場した市井の人たちの複雑な事情が、続く四篇で一人称で語られる。愛欲、性欲、出産、徘徊……中傷、誹謗と、立て続けに起こる問題な出来事。けれども、最後にはそれらがすうっと回収される。上手い。ただ、好みからは外れる。

 ネットの見聞。

 反原発へのいやがらせの歴史展。10日11日のたった二日間。

《 しかし、現時点で見れば、このような嫌がらせは、電力会社と公安機関、そしてキャンペーン活動のプロ集団が複雑に絡み合った組織による組織的な運動破壊であったと思われます。 》

《 何度も言うが、溶け落ちた核燃料は今いったいどこにあるのか? 》 椹木 野衣

 ネットの拾いもの。

《 「アビエーション・マネジメント」桜美林、「キャリア・マネジメント学」近畿、「国際日本学」明治、「国際共生教育学」福岡教育、「影像身体学」立教、「グローバル地域文化学」同志社、「観光交流文化学」杏林、「キャリアデザイン学」法政、「環境情報学」慶応ほか…… 大学の新しい学士の名称 》 読売新聞

《 「アビエーション・マネジメント」とは。パイロットや客室乗務員など、航空関係に特化した学び。アビエーションは航空機産業を意味する。 》

《 「影像身体学」とは。「身体」と「影像」を融合し、さまざまな角度から学ぶ。 》

《 「お盆」が英語表記で、「おBOMB!」でなくて本当に良かったと思う。 》

《 本を発掘しに借りてるコンテナ倉庫に行ったら南西向きのせいか灼熱地獄だった…10秒と入っていられない。 》

 10秒と日なたにいたくない一日。