『世界文学にみる架空地名大事典』

 寝る前に読む本は、というお題へのネットの一反応。

《 『架空地名大事典』を横になって少しずつ読んだりするのは、安らかな眠りにはよいかもしれない。 》

 本棚から『世界文学にみる架空地名大事典』講談社1984年4刷を取り出し読んでみる。監訳者高橋康也の 「もうひとつの、旅への誘い」から。

《 面倒な理屈はともかく、私たちとしては、人間の仲間たちがこれまで創り出してきた「どこにもない場所」 の多様性に驚いてみるべきだろう。 》

《 これは、当然、通読されるよりは拾い読みされるべき本であろう。 》

 そのとおりだなあ。

《 ついでに申しそえれば、本書の姉妹編として、どなたか「架空地名大事典・日本篇(またはアジア篇)」 を編んでくれる奇特な方はいないものか。『古事記』から江戸の戯作や『南総里見八犬伝』をへて萩原朔太郎の 〈猫街〉や井上ひさし氏の〈吉里吉里国〉や大江健三郎氏の〈村〉(『同時代ゲーム』)まで、あるいは詩なら 入沢康夫氏の〈ランゲルハンス氏の島〉や高橋睦郎氏の〈王国〉など、編者の学と好みによって、 おもしろいものができるはずだ。 》

 『同時代ゲーム』は半分ほどで投げ出した。〈王国〉は知らんなあ。ネット検索で判明。若い時、「少女」 の詩歌小説のアンソロジーを試みた。その資料をもとに雑誌で特集が組まれた。塚本邦雄の短歌を間違えて(誤字) 掲載し、中井英夫氏からおしかりを受けた。それはさておき。「ユートピア Utopia 」の項目から。

《 南アメリカの、サンスキュロッティアという名前で知られていた海岸から十五マイルほどの距離に位置する島。 元来は地峡によって大陸につながっていた。 》

 そのあと縷々綴られているのでごく一部を。

《 ユートピアは政体としては共和国であり、私有財産は認められず、各成員は共同体に対するみずからの使命を 真剣に受けとめている。 》

《 また性急すぎる結論を避けるために、どのような決議案も、それが提出された最初の日は討論されてはならない、 という規則が守られている。 》

《 驚くべきことに、ユートピアと近隣諸国との関係は一般に良好である。近隣諸国の大多数は、 かつてそれらの国を圧迫していた独裁政治から今や解放され、ユートピアは、それらの多くに行政官を派遣している (このシステムは、アメリカ合衆国ソ連など他の国々によっても試みられてはいるが、なんらかの理由で うまくいったためしがない)。 》

 このユートピアに住もうと勧められたら、やんわりとお断りするわ。理由? 訊かないでくれ〜。

 私は寝る前にはほろ酔いなので本は読まない、手にしない。レコード針を手にかけて、いくつ買い替えたことか。 今は酔ったらCD。

 ネットの見聞。

《 東京ミッドタウン隈研吾による〈つみきのひろば〉が出現! 都会のど真ん中のなごみ空間です。 》

 「都会のど真ん中のごみ空間です」と誤読してしまった。

《 高木新復興相がパンツ泥棒だったかどうかは知らないが、彼のHPに「電子力発電の安全確保」 とあるのにはのけぞった。電子力って何?あと、保安院って3年前に廃止されてますけど。やる気あんのかね。
  http://www.takagitsuyoshi.com/policy.html 》 想田和弘
 https://twitter.com/KazuhiroSoda

 ネットの拾いもの。

《 ガス代が払えなかったらガスを、電気代が払えなかったら電気を止められるんだから、 NHK受信料が払えなかったらNHKを止めて欲しい。 》

《 「〜バカ」は尊いが、「バカ〜」になるとアレなひとになってしまう日本語の不思議。
  用例:「役者バカ」と「バカ役者」。 》

《 新婚の頃、新聞を読みながらご飯を食べていると叱られた。むかしは新聞を読まないと飯が不味くなる、 という人が結構いたように思う。仕方がないので、醤油の瓶に印刷してある文字を繰り返し読んでいたら、 真からあきれられた。 》