木々高太郎『わが女学生時代の罪』(『日本探偵小説全集7 木々高太郎集』創元推理文庫1988年3刷収録)を読んだ。 1949年〜1951年の連載。精神分析を中心にした、さり気なく見える語り。だが、じつは陽画陰画の騙り。 見事な結末、鮮やかな着地。ミステリを堪能。
《 この人はもう、理論を実際のことから批判するようになっているのだ。 》 562頁
《 「精神分析を越えるものが、あの人の心のうちにある」 》 639頁
《 「その主要なものとおっしゃるのは、つまり無意識界のうちにはあるが、分析では引き出せないもの ──その理由は、それが過去から絶えないで、心のうちでますます成長しているからである、というのが 先生の理論でしょうか」
「そうさ。成長という言葉は必ずしも恰適(こうてき)ではないが、そういう意味であることは、 間違いないと思うのだ」 》 641頁
他に収録された短篇『柳桜集』『『永遠の女囚』『新月』『月蝕』『バラのトゲ』を読み、 『日本探偵小説全集7 木々高太郎集』創元推理文庫を読了。解説で紀田順一郎の結び。
《 彼のすぐれた作品の登場人物が、永遠に充足されぬ、現世の外なる価値や生き方に殉じていることを 感じさせるとき、戦後における後継者たちがそれを原理的に継ぐことを得なかった理由について 思いをめぐらさずにはいられないのである。 》
初版は1985年5月24日。この時点では新本格ムーヴメントは勃興していなかった。
ネットの見聞。
《 近現代の歴史が繰り返し教えているのは「市民のデモでしか変わらない政治がある」という現実で、 米国の黒人差別撤廃も南アのアパルトヘイト撤廃も、東ドイツ等の東欧諸国やアラブ諸国の民主化も、 市民のデモ無しには実現しなかった。社会の変革を望まない環境にいる人は、当然デモも蛇蝎のごとく嫌う。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki
《 「何度でも何度でも歴史の中で立ち上がってきた人がいるし、俺たちはその一つに過ぎない」
「新しい戦後を始めよう。それを作るのは俺たち一人一人。それはなぜか。 この国の主権者が俺たち一人一人だからです」 》 SEALDs
https://twitter.com/SEALDs_jpn
《 全米最後のカセットテープメーカーが、創業以来の大黒字 》
http://irorio.jp/sophokles/20150917/261871/
《 萌え絵はポルノではなく、人間への回帰なのである 》 「狐の王国」
http://d.hatena.ne.jp/KoshianX/20150916/1442403299
《 こうした萌え絵の脱ポルノの歴史を踏まえずポルノで利用されてきたシーンを誇張するから 村上隆のフィギュアはたいへん嫌われるのである。 》
「狐の王国」のこの指摘に感心。
ネットの拾いもの。
《 安保法制反対デモをdisってる半端な有名人って、それしかアピールの場のない気の毒な人なんだよな。 予め言っとくけど、おれは政権批判してる「無名人」だから。 》