『人間科学の哲学』その一

 先だって知人の店で奥さんからコーヒーを淹れていただいた時、使っているコーヒーポットで淹れると味が良くなると 聞き、ものは試しと近くのホームセンターで注ぎ口が細くて長いコーヒー用ポットを購入。何回か試してみた。うん、 同じコーヒー豆だけど、味は良く(より好みに)なる。もう前のヤカンには戻れない(ヤカンを使ってたのかよ)。 道具は大事だねえ。気に入った道具がないときには自分で作る。本棚がそうだけど、天井までの本棚を作った。 まったく問題ない。書見台も作った。贈答品(タオル)を収めた桐箱の蓋と百円ショップで買った木のコップ立てを 接着しただけ。角度は固定だけど、ちょうどいい。これを見た女性が欲しがった。あげない。
 何がいつどこで役に立つかわからない。三十五年使っているトイレのタンクの浮き玉の動きが鈍くて水が止まらない。500mlの炭酸水の空ペットボトルの底に穴を開け、小石を重しに入れて水槽へ立てた。それから一年余。事故はない。
 午後、自転車を外へ出してスタンドを立てたら留め具がポキンと折れた。これじゃ立たたない(私じゃない)。 自転車屋へ直行。交換。うん、いい感触。自転車を走らせ義理の用事を済ませる。途中ブックオフ三島徳倉店で一休み。 中西進『日本語の力』集英社文庫2006年初版、仁木悦子『林の中の家』ポプラ文庫2011年初版、計216円。後者は角川文庫で 既読だが、エッセイが新たに収録されているので(買う理由はいくらでもある)。新保博久の解説冒頭。

《 大きな地震が起こったあと、一人の地震学者が被害調査にやってきました。すると、一列に並んだ石灯籠が全部 ある方向に倒れていたのに、途中の一個だけが逆向きに倒れています。どうしてそんな現象が起きたのか、地震学者が 考え込んでいると、通りかかった地元の人が教えてくれました──その一個だけは通るのに邪魔になるから反対方向に 動かしたのだと。 》

《 これは科学的思考にのめり込んで他の条件を考えられない罠に陥る例として挙げられていたのですが、近年ミステリ界で 言われるようになった”日常の謎”の好例でもあるでしょう。 》

 この文庫の発行は2011年1月15日。大地震の三か月前。引用の「科学的思考にのめり込んで他の条件を考えられない罠」に、 読み始めた本を連想。

 山口裕之『人間科学の哲学』勁草書房2005年初版を読み始める。

《 科学とは、偶然的な世界を何とか見通しのよいものにしたいという意志のもとで創造されてきたものにほかならない。  》 5頁

《 私にとって哲学とは、一言で言うと、「自分なりに確信を持って納得するために、前提を疑いつづけること」である。 そして、人間的な自由や創造性について考えるときには、科学が前提としている、世界は決定論的に動いているはずだ という見方そのものを疑うことが必要なのであると思う。 》 5頁

 ネットの見聞。

《 図書館の役割否定した民営化  直営にもどした下関の教訓 》 長周新聞
 http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/tosyokannoyakuwarihiteisitamineika.html

《 鈴木いづみが36歳で自死して30年。ピンク映画出演、壮絶な結婚生活など伝説の人だが、 本書解説にあるSFにのめり込んでいくいづみ像が好き。女であることを発想の源にしたSFはなお色褪せない。 ハヤカワ文庫JA、1978年刊。 》 ストラングル・成田
 https://twitter.com/stranglenarita/status/699941003289972737

 このほかに単行本を数冊持っている。すぐに読みたい本がまた増えてしまった。いつ読めるか。小田急線・新百合ヶ丘、 知人女性の近所に住んでいたらしい。当時耳にしていたが……。新婚旅行のエロ話をのろけた彼女は台所で酒に溺れて死んだ。

《 書斎や研究室に読みもしない本が大量に必用である理由は、書棚の本というのは部屋の主人が把握できない量に なったときに始めて創造力の源泉となるから。大量の本はすべてその時々の問題関心から収集されている。部屋の主人は かつてと異なる問題関心から書棚を物色し、必用な本を発見する。これが独創。 》 オッカム
 https://twitter.com/oxomckoe/status/699971833337028608

 ネットの拾いもの。

《 本社から「社員各位:休日出勤は給料が出ないので、もしも休日の出勤で給料が欲しいという方がいる場合は 有給休暇を使用して出勤してください」というメールが来た。なにを言ってるかわからないだろ? 俺もさっぱりわからない。 》

《 ついに美脚を露わしたな ←言ってみたいセリフ 》