『日本政治思想史』

 原武史『日本政治思想史』放送大学教育振興会2017年2刷、前半を読んだ。これは面白いわ。例えば「大奥」。

《 慶喜は、女性が男性以上に権力をもつ場合があることに気づいたのです。(中略)彼女らのなかには前述した男性中心の システムに包摂されることなく権力を振るう老女や「御年寄」もいました。 》 79頁

《 にもかかわらず江戸城本丸の「表」「中奥」「大奥」という構造は、システムの崩壊によって一掃されたわけではありませんでした。 一八八一(明治ニ一)年に旧江戸城西の丸跡に完成した明治宮殿もまた「表」と「奥」(御内裏)から成り立っていましたが、奥女中に 当たるのは女官であり、大奥に当たるのは「奥」および「奥」と百間廊下と呼ばれる回廊でつながった「局(つぼね)」でした。それは同時に 皇后という、女官を統括する天皇のパートナーの本格的登場を意味していたのです。 》 79頁

《 こうして見ると、日本政治思想史を従来の西洋政治思想史をモデルとする方法でとらえるだけでは限界があることがわかります。 》  28頁

《 このような日本の政治思想を探るためには、個々の思想家の言説を追ってゆくだけでは限界があります。体制を支えている思想が、 必ずしもテキストに書かれているわけではないからです。言説化されないものまで含めて思想と見なす新たな視点が必要になってきます。 》  29頁

 夜更け、人通りのまばらな大通りを三階からほろ良い加減で眺める。通りを行く若い人、何やら話し込んている若い人たち。夜風。 高層マンションの一部屋だけ灯っている灯りを見上げる。どんな人生? 心地よい夜風が心地よく。人生、捨てたもんじゃないな。静かにそして すばやく満ちてくる潮のように、酔いが満ちてくる。生きていればこそ。嗚呼、わが人生。いい人たちとつながれる幸福感。乾杯。

 午後、沼津市の古い住宅を改装した貸ギャラリーを友だちと下見。いろいろ使えそう。

 ネット、いろいろ。

《 新訳ステファヌ・マラルメ詩集 》 daily-sumus2
 コメント欄に柏倉氏の投稿。私のことに触れている!
 http://sumus2013.exblog.jp/27992881/

《 英国王室「異例の勲章授与」とブレグジットの深い関係/君塚 直隆 》 ゲンダイ
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52337

 「佩用(はいよう)」という言葉を知った。私には無縁だから知らないのも当たり前。

《 日本語形容詞「やばい」の意味拡張と強調詞化に関する一考察 》 坂口 慧
 http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/54825/1/lis1102.pdf

《 オーストラリアにレコードプレス工場が30年ぶりにオープンへ、完全自動化の次世代レコードプレス・マシンを採用 》 amass
 http://amass.jp/91869/

《 風が吹けば桶屋が儲かるけど
  桶屋が儲けても風は吹きません 》

《 はたらかずにのむ酒がうまい。 》