2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「古人の忘れもの」展初日(閑人亭日録)

午前二時前、パトカーの異様なサイレンと警官の呼びかけに目が覚める。続いてパトカーのサイレン。近くで静まる。気になって窓を開け、西の広小路交番に目をやると、さらにパトカーが静かにやってくる。合計六台が交番の周辺に止まる。あわただしい動きは見…

個展の準備(閑人亭日録)

明け方まで降りしきっていた雨は、通勤通学時には小降りに。二階の窓から眺める広小路踏切を挟んだ五差路は、東西南北、車と自転車と歩行者が、接触することなく行き交う。追突、接触事故は見たことがない。横断歩道と踏切での一時停止違反でお巡りさんに捕…

『TOKYO未来世紀』(閑人亭日録) 篠山紀信『TOKYO未来世紀』小学館1992年2月10日 初版第1刷発行を本棚から取りだす。表紙カバー後ろ面に「鬼才・篠山紀信/写真30年の/集大成」のデカイ字。そして磯崎新の推薦文「TOKYO IS PHOTOGRAPHY」。《 8…

「建築の近未来」(閑人亭日録)

月刊『太陽』平凡社1992年4月号「特集 建築の近未来 ARCHITECT FOR ANYWHERE」を久しぶりに開く。表紙は磯崎新の白黒写真像。「アトリエから、空間へ。現代建築家6人が語る発想と展開」、最初の磯崎新へのインタビュー記事を読む。《 建築家というのは、単…

「現代美術のアトラス」(閑人亭日録)

月刊『太陽』1991年8月号平凡社「特集 現代美術のアトラス」を久しぶりに開く。『現代の美術 art now』講談社から二十年後の日本の現代美術の特集。表紙は船越桂の木彫像『森へ行く日、1984』。何度か読んでいるが、今回、新たな発見、出合いがあるやもしれ…

現代美術の領域(閑人亭日録)

大事なことを、お老化(ろか)ゆえ忘れていた。『現代の美術 art now』と謳いながら、文章では”美術”と”芸術”が入り混じって使われている。一市井人の私には、美術と芸術の違いがわからない。芸術は美術以外の文学や音楽、舞踊、演劇なども含む用語、と説明…

時代の変わり目(閑人亭日録)

高階秀爾が亡くなった。『現代の美術 art now』を読了したときに。不思議な暗合だ。一時代の終わりというか時代の変わり目を感じる。彼の著作はいくつも読んでいる。正攻法と思える文章で、西洋美術、日本美術を考えるうえで大いに参考になった。また、『現…

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』七(閑人亭日録)

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕ミシェル・ラゴン「美と有用性、または技術文明の魅惑について」1971年《 科学万能と進歩至上主義、合理主義と機能主義…

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』六(閑人亭日録)

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕宮川淳「引用について」《 現代美術について語ろうとするとき、われわれにつきまとうもっとも大きな問題ないし困難があ…

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』五(閑人亭日録)

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕泉真也「ホワイト・アウト」《 透視図的な世界の溶解は、私たちの考えている以上の大きな意味をもっているように思う。…

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』四(閑人亭日録)

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔3〕ジャン・カスー「芸術と異議申立て」1968年発表《 歴史の中に位置しているとは、時間の中に位置していることであり、そ…

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』三(閑人亭日録)

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔2〕クレメント・グリーンバーグ「近代主義絵画」1966年発表《 近代美術が理論的な臨床は何もしていないということを、私は…

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』二(閑人亭日録)

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編を少し読んだ。 〔1〕ジョルジュ・デュテュイ「イメージをなくすことはできるか」1961年発表《 この間の戦争が終わってまもなく、造形美術の…

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』(閑人亭日録)

『現代の美術 art now 別巻 現代美術の思想』講談社(第13回配本)1972年5月20日第1刷発行、高階秀爾・中原佑介 編、高階秀爾「はじめに」を読んだ。《 めまぐるしく変貌する歴史のなかにつぎつぎと登場してくるさまざまの流派、主義、グループ、傾向が、そ…

完成、非完成、反完成(閑人亭日録)

北一明の茶盌を鑑賞していると、これは頂点、完成形だろう。これはあと一歩、富士山でいえば八合目、九合目だろう。ご来光を仰ぐ(耀変)まであと少しだな、と感じる作品(二級品)がある。愛好家は完成品(一級品)を求める。私はどちらも求める。といって…

審美書院『支那名畫集』(閑人亭日録)

午前三時、紅茶を淹れる。 昨晩、ヤフー・オークションで審美書院の『支那名畫集』二冊揃いが落札された。落札価格 206,900円。 https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h1156273600 市井の一老人には手の出るお値段ではない。以前の落札価格は 137,1…

食品スーパーでお買いもの(閑人亭日録)

我が家からスーパー・マックスヴァリュー(イオン)の二店舗とスーパー・イトーヨーカドーが見える。昨日は枕を買いにイトーヨーカドーへ行ったついでに、一階の食品売り場を回遊。高級感のある品ぞろえ。夕食用のお惣菜を買った。今日は隣駅の、駿豆線三島…

『HARIS ALEXIOU REWORKS』(閑人亭日録)

先年歌手を引退したギリシャの歌姫ハリス・アレクシーウの新譜、といっていいのか、以前録音された彼女の歌声に新たな伴奏をはめて”新譜”として販売されたCD。購入してから大分経つが、オーディオ装置で音楽そのものを聴く気がしなくて放置していた。昨晩…

『年鑑日本のイラストレーション'72』(閑人亭日録)

『年鑑日本のイラストレーション'72』講談社1973年5月10日発行を卓上に置く。これも重い。片手でなんとか持てる。定価5,900円。この本をもっているのは、味戸ケイコさんの、雑誌『エレクトーン』の表紙絵二点が掲載されているから。やなせたかしがこれを見て…

『日本美術全集 19 戦後~一九九五』(閑人亭日録)

『日本美術全集 19 戦後~一九九五 拡張する戦後美術』小学館 2015年8月30日初版一刷発行、椹木野衣・責任編集を卓上に置く。箱の帯の惹句。《 マンガ、写真、 特撮、デザイン、 「爆発」に「実験」 そして「人」、 すべてが美術だ 》《 敗戦後、日本の美術…

『現代の美術 art now12 拡がるデザイン世界』続き(閑人亭日録)

『現代の美術 art now12 拡がるデザイン世界』講談社(第11回配本)1972年3月10日第1刷発行、高階秀爾・編著、巻末の「デザイン世界の現象学」高階秀爾を読んだ。《 今日においては、芸術とデザインとは、かつてのように切り離されたものではなくなっている…

『現代の美術 art now12 拡がるデザイン世界』(閑人亭日録)

『現代の美術 art now12 拡がるデザイン世界』講談社(第11回配本)1972年3月10日第1刷発行、高階秀爾・編著、「はじめに」を読んだ。《 これまで、現実の社会には背を向けた「自律的」な世界だけで純粋な美を追求していた芸術家たちに代わって、今や社会そ…

『現代の美術 art now11 行為に賭ける 』三(閑人亭日録)

『現代の美術 art now11 行為に賭ける』講談社(第12回配本)1972年4月28日第1刷発行、針生一郎・編著、巻末の「行為のなかで言葉はよみがえるのか」を読んだ。 「意味と反意味」《 いまでは伝説となったが、ハプニングという名称は、1959年の秋、ニューヨ…

『現代の美術 art now11 行為に賭ける 』二(閑人亭日録)

『現代の美術 art now11 行為に賭ける』講談社(第12回配本)1972年4月28日第1刷発行、針生一郎・編著、図版を眺める。 「1 日常性の意識化──ハプニング」《 ハプニングという語は、いまでは日常化して、偶然性とスリルに満ちた出来事、即興的な表現の意味…

『現代の美術 art now 11 行為に賭ける』(閑人亭日録)

昨晩、ネットに上げようとしたらパソコンの機器の不調でつながらない。いろいろ調べてもらったら、ルーターの不具合(寿命)。私の寿命はどうかな。まだ生きたい。まだ死ぬわけにはいかない。 というわけで昨日、今日と二日分。 『現代の美術 art now11 行為…

『現代の美術 art now10 記号とイメージ』(閑人亭日録)

『現代の美術 art now10 記号とイメージ』講談社(第7回配本)1971年10月30日第1刷発行、針生一郎・編著、「はじめに」を読んだ。《 今日では、さまざまなの非言語的な記号が人間をとりまき、わたしたちに読むことを強制するだけでなく、言語を含む記号は計…

『現代の美術 art now9構成する抽象』続き(閑人亭日録)

『現代の美術 art now9構成する抽象』講談社(第6回配本)1971年9月20日第1刷発行、藤枝晃雄・編著、巻末の「二つの抽象」を読んだ。冒頭と結びを書き留める。《 現代芸術は、ある確固とした様式をもたないのはもとより、過去の様式が築きあげてきた芸術形…

『現代の美術 art now9構成する抽象』(閑人亭日録)

『現代の美術 art now9 構成する抽象』講談社(第6回配本)1971年9月20日第1刷発行、藤枝晃雄・編著、「はじめに」を読んだ。以下気になる箇所を書き留める。《 今日、私たちが目撃している抽象を具象の後にきた非対称の芸術と見なしたり、シュルレアリス…

『現代の美術 art now8 躍動する抽象』続き(閑人亭日録)

『現代の美術 art now8 躍動する抽象』講談社(第10回配本)1972年2月5日第1刷発行、大岡信・編著、巻末の「生の昂揚としての抽象絵画」を読んだ。 「過渡期の「芸術」と「美」」《 ピカソは比較的早い時期から作品に制作の日付を書きこむ習慣をもっていた…

『現代の美術 art now8 躍動する抽象』(閑人亭日録)

『現代の美術 art now8 躍動する抽象』講談社(第10回配本)1972年2月5日第1刷発行、大岡信・編著、「はじめに」を読んだ。《 いうまでもなく、絵画は色彩と形態によってある大きさの平面をいろどるものだ。画家からいえば、全身的な造形行為の明確な痕跡…