『レンマ学』九(閑人亭日録)

 中沢新一『レンマ学』講談社二○一九年八月六日 第一刷発行、「第九章 レンマ的数論(1)」を読んだ。難解の山、数式の裾野をそっと抜ける。

《 レンマ的空間では、あらゆる事物が縁起によってつながりあっている。数に関しても例外ではない。レンマ的「数(ニュメロイド)」は、他のあらゆる「数」と縁起によって相依相関しているのである。このような「数」は、通常のロゴス的数学で扱われている数と構造上の違いをもっている。ロゴス的数論とレンマ的「数」論には、根本的な違いがある。(引用者・略)レンマ的「数」論を考えることは、今日ではけっして荒唐無稽なな問題ではない。 》 213-214頁

《 このようにレンマ的「数」論から導き出されてくる縁起論的な空間の構造の特徴は、量子論が明らかにしてきた量子空間の構造と、驚くほどのの類似性を見せるのである。 》 237頁

《 ロゴス型の知性について、アリストテレスはこれが(1)同一律(2)矛盾律(3)排中律という三つの規則にしたがって作動していることをあきらかにした。この三つのの規則はその後も、ロゴス論理による思考の従うべき原則として、科学的思考の基礎となってきた。ところが量子論の基礎である非局所性と非可換性を取り入れると、同一律矛盾律排中律も深刻なパラドックスを発生させてしまう。量子論の基礎に縁起論的思考がインプリシッド(陰伏的)に組み込まれているためである。そのため量子論には自然なかたちでレンマ的論理が持ち込まれることになった。
  レンマ学と量子論との間には深いつながりがある。 》 238頁

 数学はスルー。

 今日の東京新聞は広告が例年よりも多いかなあ、と広告をよけて本紙の静岡版を開く。おお、美術家岡部稔さんがドカンと紹介されている。良い記事だ。目が覚める。午後、岡部さんへ新聞を届ける。
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/223093?rct=metropolitanl
 北一明の「耀変花生け」を卓上に置く。午前の陽光を受けてキラキラと耀き、変幻。眼福。ゆっくり鑑賞。”炎の主導権を握る”ことによってで出現する耀変。これが話題にならないことの不思議。
 それにしても、老化を実感する七十二歳。動けるうちに動く。

 ネット、うろうろ。

《 高橋さん、明けましておめでとうございます。二人とも72歳になりました。残された時間は次世代にちゃんと「パス」をつなげるようにがんばりましょうね。たまにはお会いしたいなあ。 》 内田樹
https://twitter.com/levinassien/status/1609370627282186241

《 これまで数々の産業の栄枯盛衰が起きた、新聞だけが例外になる訳がない。ましてや生き残るために政府の翼賛広報機関となり、質の低下は続くばかり。これ以上新しいお酒を古い袋から飲む意味は無い。新たな「報道」機関はしばらくの混乱の後に生まれて来るだろう。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1609463079313543169

《 黒塗りの人治主義。
  これを徹底攻撃しない新聞の存在意義など無い。 》 m-take
https://twitter.com/takeonomado/status/1609467316558782465

《 昨年、誰よりも真摯な議論から逃げ回っていた。年末年始を活用したリセットに注意。

  年頭の辞・細田衆院議長「真摯な議論の継続が求められる」 》 武田砂鉄
https://twitter.com/takedasatetsu/status/1609366727103770626

《 吉永小百合さん「世界でそういうこと(戦争)がいろんな所で起こっている。そういう中で考えなくてはいけないのは軍備を拡張するというのではなくて核兵器を廃絶、禁止するということを、原爆を2度も受けた私たちだからみんなで声を出していかなきゃいけないなと特に思っている」 》 こむぎ
https://twitter.com/mugichoko1616/status/1609143883778379776

《 戦争経験者であり、あの三島由紀夫と親交が深かった美輪明宏さんが言うと物凄く説得力がある。
  #新しい戦前にしないことは私たちの責任 》 M16A HAYABUSA
https://twitter.com/M16A_hayabusa/status/1609427942844813312