中沢新一『レンマ学』講談社二○一九年八月六日 第一刷発行、「第十一章 レンマ派言語論」を読んだ。
《 言語は人間の心／脳に内蔵されている生得的能力である、というのが生成文法の基本的な考えであるが、レンマ学はそこで言われている心／脳というものを、レンマ的知性とロゴス的知性の合成体（合成識）と認識して、独自の言語学を構築するのである。 》 276頁
《 言語を主にそのロゴス面から観察する生成文法が文を無限に創造できる言語能力に注目してきたのに対して、言語を主にそのレンマ面から研究するソシュール的構造主義は、言語の体系性や全体性の方に着目してきた。アーラヤ識に内蔵された言語能力は、ロゴス的知性とレンマ的知性の合成体である。それゆえ、現代言語学にあらわれたこの二つの有力な学派の主張するところは、そのまま言語の二重の本性に対応しているといえる。 》 281頁
《 詩的言語は、直交補構造で交わる言語内のロゴス的知性とレンマ的知性のうち、レンマ的知性の特徴である縁起論的平等性の原理に、ロゴス的知性の働きを包み込んでしまおうという言語活動である。日常の言語では逆のことが起こっている。そのときはレンマ軸におこなわれる選択の自由を制限して、ロゴス軸の原理である差別性を保って結合がおこなわれる。 》 295頁
《 レンマ的派言語学の要点をまとめよう。レンマ的知性は縁起の理法によって全体運動する法界の純粋な表現形であるから、ロゴス的知性とは異なる多くの特徴を有する。それはまず縁起の生起によるので、（１）空有構造体をなし、それによって「相即相入」によって互いに縁起の全体運動をおこなう。（２）縁起性によって相依相関しあう諸事物は、マトリックスの性質をもつことによって、非可換性や非局所性をそなえている。この性質は事物を量子レベルで示す物理的性質と共通である。（３）縁起する諸事物には同一性がなく、その本性は空である。それゆえ縁起を理法とする空間は無限の差異性によってなりたつことになる。このことは『般若経』のよく示すところである。（４）法蔵が『華厳五教章』で語るように、法界は全域で振動している。「相即相入」によって力の出入りがいたるところで起こっているからである。しかし振動していても、法界そのものは動かない。動即不動、不動即動である。 》 297-298頁
《 レンマ学は西欧にとってはあいかわらず異邦的な「学」であろうが、西田哲学や今西生物学を持つ日本人には、むしろ馴染み深い思想をあらわす。 》 302頁
じつに面白い。が、わかったようで、まだ中途半端な理解に止まっている。まだまだ。要再読。
ご近所の小坂時計店でメガネ型レンズを購入。本、二頁見開き全面ハッキリ、クッキリ。解像度がぐっとあがる。読書スイスイ。小坂時計店は、ベストセラーで映画化された『余命十年』の故小坂流加さんの家。
ネット、うろうろ。
《 換気が可視化されておる 》 階段巡りツイッター
https://twitter.com/kaidanmeguri/status/1610077703427993600
《 「研究は自分の正しさを証明するためではなく正しかったり間違いだったりすることがわかることだ」と村山斉氏はいう。科学実験であれば仮説、芸術制作であれば創作意図である。あらかじめ予想していたものが超えられて、想定外のモノゴトが生起／顕現していくことを目撃することの悦び。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1609976975506173952
《 芸術をフィクションと考える人たちがいるが、むしろフィクションに安住できない方々が芸術に携わっていく。芸術をフィクションとイメージする仕組みは、非日常をフィクションと考えがちになる仕組みと同じで、実際は、非日常とは「他者の日常」にほかならない。他者に触れれば、芸術は個々のリアルだ。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1609985378450280448
《 「正義」とは何か。 》 マキエマキ
https://twitter.com/makiemaki50/status/1610074604852359168
《 初詣行くにしても。何も立憲民主党の代表が乃木神社に行って、しかもそれを公にアピールしなくても、ね 》 Koichi Kawakami, 川上浩一
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1609969784304861184
《 いくら保育所で子どもが犠牲になろうが、先進国最低レベルの保育士配置基準も変えない。数年で「子ども食堂」が20倍近く増えようが、マイナポイント予算より安価な給食費無償化すら実施しない。貧困を再生産している「借金」でしかない奨学金もロクに改善しない。こんな自民党は国政にいらない。 》 異邦人
https://twitter.com/Narodovlastiye/status/1609551488950624257
《 「外交力の強化のために裏付けの防衛力の強化が必要」との発想はおかしい。
外交力の前提に一定の防衛力があり得ることは否定しない。
しかし、今の日本に必須の外交力は武力を背景に得られるものではなく、中国などと如何に共通の利益関係を組み立てていくかの創造力だ。
３文書にはこれがゼロだ。 》 小西ひろゆき （参議院議員）
https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1609569932676849664
