リアリズム・非リアリズム

 午前中は美術館の生垣と庭木の剪定。といっても、私は切り取られた枝葉を指定ゴミ袋に入れるだけ。高いところは苦手。 45リットルの袋に八袋。ふう。きょうはこれまで。

 ウェブサイトを散策していてふと思ったこと。リアリズムと非リアリズム。絵画では写実と幻想あるいは抽象という構図、小説では純文学とミステリ小説という構図。この対立の論争は国内外で尽きることなく続いてきた。今も変わらない。昨日の呉一騏氏の水墨画は非リアリズムに属するだろう。味戸ケイコさんの絵は幻想的だから非リアリズムかな。北一明氏の焼きものは、日常的な形態ではないから非リアリズムかな。私は非リアリズムに属する作品を好むようだ。なにを書きたいのか。枝葉の詰まったゴミ袋にアリが紛れ込んでいる。袋のアリを人間と同じ一個の人格と見なすか、アリの一族を一個の有機体(類)と見なして袋のアリを人間の爪の一部のように見なすのか。そんなことを何気なく考えていたとき、リアリズムと非リアリズムという分別の構図が、自分にはどうでもいいように思えてきた。つまるところ、私は感動を与えてくれる作品を求めているのだ。リアリズムでも非リアリズムでも、そんなことには拘泥しない。ゴミ袋の一匹のアリが生命現象のあり方を私に考えさせたような、そんなすごい作品を求めてきょうも流離(さすら)……っては……いないなあ。