閑人亭日録

春愁

 いくつかのを用事を昼前に片付け、午後、強い風なのでぽちぽち歩いて本屋へ。注文した本、入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版帯付を 受けとる。とぼとぼ歩くうちにどこからともなく愁いがやってきて、なんとなく愁いに沈む。選挙カーのマイクの女声が空々しい。寄り道をして源兵衛川を上から下る。 一株のヒナゲシを抜く。上流部の河岸にヒメツルソバを見つけてしまう。帰宅して長靴に履き替えて戻る。土のう袋三分の一ほど。一安心。
 久しぶりの春愁。まあ、一年ぶりではあるだろうが、去年のことは憶えていない。子供のときから愁いに耽っていた。三つ子の魂百まで。
   愁ひつゝ岡にのぼれば花いばら   与謝蕪村
 この句についての安東次男の解釈から。

《 「愁ひつゝ」の句の「岡」も、川添いの岡つまり堤と考えてむしろ自然であろう。 》 『日本詩人選18 与謝蕪村筑摩書房1970年初版

 源兵衛川には堤はないなあ。松尾芭蕉よりも与謝蕪村の俳句世界に親近感を覚える。
 思い立って床の上に散らばった(山積)紙類を整理(処分)。スッキリ。その時を見計らったように、ほっとする電話が入る。ホッとする。

 ネット、うろうろ。

《 新しいものが持て囃されるとき、多くの人々は「それが優れているから」だと、工学的/進歩主義的に考えてしまう。それと同じ構図で、古くなることを 「劣ったものだから」と勘違いしてしまう。新しいものが、古いもののどのような変形なのか、その変形はどのようなリアリティに基づくのか、とは見ない。 》  中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1118616770900713472

《 「僕たちは多文化主義から多自然主義へと向かわなければならない」奥野克巳に訊く“人類学の静かなる革命”  》 HAGAZINE
  https://hagamag.com/uncategory/3529

《 1944年の日本で、現実を直視して「このままでは日本は戦争に負ける」「だから一日も早く降伏しよう」と述べる者は「リアリスト」とは呼ばれなかった。 「非国民」と呼ばれた。今なら「反権力」や「反日」だろう。既存の権力構造における強者と弱者で、強者の側につくことが「リアリズム」だと錯覚する。 》  山崎 雅弘
  https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1118435677727625216

《  安倍さん、僕らの三千億円他、どうしたんでせうね?

  ええ、一昨年、ロシアから北方領土を返還させるとかでプーチンさんにあげてしまったあの三千億円ですよ...

  安倍さん、あれは大事なお金でしたよ、僕らはえ!?と思ったんだけど、島が返ってくると言うもんだから。 》 原田浩司
  https://twitter.com/KOJIHARADA/status/1118686059347361792