ゆりくまさん/白砂勝敏・木彫の椅子展

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。海堂尊たける)『アリアドネの弾丸』宝島社2010年初版、中島京子『冠・婚・葬・祭』ちくま文庫2010年初版、計210円。

 朝、畑は一面真っ白。初霜柱。

 立原えりか『ゆりくまさん』国土社2003年新装6刷を読んだ。来年四月に企画展をする牧村慶子さんが挿絵を描いている。既視感におそわれる。矢崎存美の小説『ぶたぶた』シリーズだ。ぬいぐるみのくまとブタの違いだけ。『ゆりくまさん』は1971年の初刊。1998年発売の『ぶたぶた』の先達だ。『ぶたぶた』シリーズ、『ぶたぶた日記』光文社文庫書き下ろし2004年初版から読んでいなかった。そんなに読んでいなかったとは。光陰矢のごとし。それにしても、「ぶたぶた」シリーズの最新作が『ぶたぶたは見た』とは。

 日中戦争〜太平洋戦争時、戦争反対の人は無力感に陥っていた。アメリカという外部からの力で焦土になり、大多数の国民は政府・軍部の愚かさを思い知った。原子力発電に反対の人は私を含め無力感に陥っていた。地震津波という自然の力で原発が壊れ、大多数の国民は政府・産業界の嘘と愚策を知った。歴史は繰り返す。今は敗戦後の日本のよう。戦争を推進していた輩は口をぬぐって忘れた顔をしていたという。原発を推進していた学者知識人らは、知らん顔をして相変わらずマスメディアに顔を出している。同罪のマスメディアが見放されるわけだ。66年前と違って今はインターネットがある。

 ネットの拾いもの。

《 そもそも、「電気がなければ動かない、それどころか爆発する発電機」という時点で、悪い冗談にしか思えないんだが。》

 16日の毎日新聞朝刊、「くらしの明日 私の社会保障論」湯浅誠反貧困ネットワーク事務局長)が引用している新市長の発言。

《 「深刻化する住宅難、減少し続ける働き口、憂いが深まる伝統市場や路地商圏、競争力が低下している自営業や中小企業、増える非正規職。そのどれもが、新しい解決策を求めています」

  「福祉は人間に対する最も高利回りの貯蓄であり、将来に対する最高収益の投資です。福祉か、成長かの二分法はもはや通用しません。過去10年の間に、成長が必ずしも福祉をもたらすわけではないということが明らかになりました。むしろ、福祉が成長を牽引する時代になったのです。」

  それゆえ新市長は宣言する。「福祉は施恵ではなく、市民の権利である」と。

  新市長とは朴元淳(パクウォンスン)。10月26日に誕生した韓国の首都ソウルの新市長である。》

《 「市長こそが市民であり、市長こそが市民なのです」 》

 16日の沼津朝日新聞の記事から抜粋。

《 北斎道子さんの絵画二点が十三日、救護施設の市立高尾園 に寄贈された。(引用者:略)越沼館長から同作品の寄贈先を知らされた北斎さんは、さらに、三人の女性が音楽を奏でる「雅歌」の寄贈を申し出た。(引用者:略)北斎さんは「私が描いた絵が社会のためになり、人とのつながりができることはありがたいことです」と話している。》