旧宮殿にて

 次回坂部隆芳展の宛名書きなど。真夏の気。いわっとくる暑さに慣れないせいか、用事が進まない。

 三雲岳斗『旧宮殿にて 15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦』光文社文庫を愉しく読んだ。ミラノで制作にいそしんでいたレオナルド・ダ・ヴィンチのもとへ持ち込まれる謎の事件。消えた肖像画、高楼から失踪した令嬢、倉庫から忽然と盗まれた巨大な銅像など五編。

《 万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが、ミラノ宰相ルドヴィコ・スフォルツァと、才媛チェチリアとともに不可解な事件の謎に挑む。 》

 これは面白かった。ライトノベル『M.G.H.』『海底密室』と違って、大人向きの本格ミステリー。イタリア語に翻訳されたらどんな反響があるだろう。愉しい想像だ。

《 芸術家の魂が、もっとも昂揚した仕事をしているときというのは、ほかの人間から見れば、遊んでいるようにしかみえないものなのだ。これまでこの世になかった新たな思想、すなわち観念の完全なる形態というものを精神的に探し求めている状態とでもいえばいいのかな。 》13頁

 全編に登場する『白貂を抱く貴婦人》のチェチリアがなんとも印象的だ。この絵は横浜美術館で観ているので、一際印象深い。

 ネットの拾いもの。

《 電車で、スマホに集中している女子大生っぽい人に、手すりと間違えたのか二の腕を握られました。 》

 美声魔女藤生恭子You Tube 「セクシー過ぎるオリックス2軍のウグイス嬢」。