「 林真紅郎と五つの謎 」

 長崎原爆忌。ガザの惨状が重なる。

 乾くるみ『 林真紅郎と五つの謎』カッパノベルス2003年初版を読んだ。 五つの短篇を収録。電車の中で読むのにちょうどいい。

 銅版画家林由紀子さんから個展の案内状。大阪のワイアートギャラリーで 九月二日から。葉書に使われた作品、なんという甘美な蠱惑。狂おしい 官能。眩めく生と死の幻惑。眩暈。ああ、私が才気ある詩人なら、唯美 耽美的な象徴詩を捧げるんだけど。林さん、絶好調だ。
 http://www.yart-gallery.co.jp/top.html

 ネットの見聞。

《 日本のメディアだけから情報を得ていると偏りますよ。インドや アフリカから世界を見たっていいじゃないですか。中東からでも勿論 いいと思います。今はそういう事が簡単に出来る時代。そうしないと 少し物事に詳しい人の言うことに簡単に騙されてしまいますよ 》  マウリーシ・ハーリド・ビン・アルワリード

《 日本の反知性主義は「別の知性」ではなく「気分」というかたちを とるのかも知れません。ただ、その「気分」は生物としての本能や身体 感覚ではなく、「その場の親密性」「場の空気」のような社会構築的な ものに根ざしている。知性的でも身体的でもないものが日本人の「気分」 なのでしょうか。 》 内田樹

《 本土決戦。米軍が上陸し、日本軍が迎え撃つ、おそらく世界史上最悪 の凄惨な戦場が現出したであろう九州南部、相模湾、関東において、当然、 沿岸部にはフツーに住民はいる訳です。疎開?していません。そのまま では巻き込まれます。では軍はどんな計画を持っていたのか?・・・ 答えは、何も考えていませんでした。  》

《 ここホントにびっくりするんですが、どの記録、どの証言を見ても、 政府も軍も「本土決戦」で沿岸部を戦場と認識しておきながら、そこに いる住民、民衆については、「頭を悩ませた」とか「難問であった」 とか言いつつなんの対処も講じておりません。要はただ巻き込まれて 死ぬだけ。れだけなんです。 》
 http://togetter.com/li/701967