「鉄の造形、鉄の歯車、彫金」

 昨日午後、知人のお誘いで某ギャラリーでの鉄の造形作家の個展へ行った。美大で教えている作家の 話を聞いて、改めてその直方体の鉄作品を見る。一辺が50〜60センチの作品は、重さが500キロ〜 600キロあるという。展示室へよく搬入したなあ、床が抜けないかな、とそんな心配が過(よ)ぎる。 鉄の四角い塊を8キロのハンマーで無心に(?)無数に叩いた表面には鱗のような凹み。触りたくなるが、 表面を蜜蝋で錆止めをしてあるので、近寄って見るだけ。10センチ四方ほどの作品を知人が買っていた。 私もそれがイチバンと思った。しかし、触れられないのは何とも残念。
 昨夜、梱包して二年ほど物置に放置してあった鉄の歯車二個を開封。直径10センチと7センチの歯車は 何年か前、裾野市の廃れた絨毯工場からもらってきたもの。使い込まれた歯は磨り減り、傷つき、バリがある。 何十年に亘りギシギシと歯と歯を噛んだ鉄の歯は、美術作品では無論無い。廃棄された鉄の歯車=無用物だ。 が、私はこの使役された持ち重りのする歯車の歯に惹かれる。鈍い光をにじませている無数の傷=削れが、 私の知らない重厚な工場史を想起させる。
 美は細部に宿る、とも言われる。この歯車を手にすると、見どころは細部にあり、と思う。知人の買った 鉄の四角い小品でもそうだった。側面の、断崖を連想させる不連続な削り込みに眼がとまった。その側面は、 新しい、削り込みによる造形だった。

 午後、カフェ・バー、リトルノの壁面に写真十二点を展示。河合隆男さんの彫金作品を細田裕紀さんが 写真に撮ったもの。肉眼では気づきにくい彫金作品の魅力的な側面を写真が見事に際立てている。 内野まゆみさんのレイアウトで、壁面がぐっとセンスアップ。日曜休み、29日(月)まで。
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 ネットの見聞。

《 古川日出男さんの『女たち三百人の裏切りの書』が野間文芸新人賞に続いて読売文学賞を受賞しました。 》

 新人賞兼読売文学賞。なんだかヘン。

《 情弱が目に余る。時事通信社共同通信社も前身は電通の一部門。そこが世論調査として発表する数字を 押し頂いて、現政権が支持されていると信じるのはあまりに愚か。 》 藤岡真
 https://twitter.com/fujiokashin

 ネットの拾いもの。

《 坊主バーではホラ貝の無料試し吹きサービスがありますがホラ貝の音が大き過ぎる為に 1人1回鳴ったら終了とさせて頂きます。 》

《 迷惑メールと言えば
  「18歳 Gカップの住職です。お話ししませんか」的な迷惑メールが来てさ
  Gカップの住職って何よ???と思いながらよくよく見たら住職じゃなくて佳織だって。 》