『塩一トンの読書』つづき

 須賀敦子『塩一トンの読書』河出書房新社2003年初版を読了。

《 だが、答は、たぶん、簡単にはみつからないだろう。強いていえば、この国では、手早い答をみつけることが競争に勝つことだと、そんなくだらないことばかりに 力を入れてきたのだから。 》 「『砂のように眠る』関川夏央」 157頁

 1997年に発表された文章。それから二十年。日本はさらにひどくなっている。

 昨夜の四人の飲み食い会で、あるプロジェクトの手順がようやく定まってきた。無理はせずに実行。無理はせずに。他の案件、人手不足の解消の目処も立った。 それは盲点だった。午後十一時前、タクシーで帰宅。零時前就寝。今朝は定刻、午前八時に起床。いい天気だ。友だちは、昨夜お披露目された味戸ケイコさんの 巨大拡大複製印刷の掛け軸のことをフェイスブックに載せた。

《  この掛け軸にはプロ意識を充分発揮してくれた職人さんによって仕上がっている。館長が持っているB6くらいの小さな原画を120×100に拡大してくれた 三島のフォトシェルパの勝又さんは黒を美しくこだわって色出ししてくれた、画面とプリントアウトと見比べながら少しずつ調整して黒を美しくだしてくれた。
  また、掛け軸に仕上げてくれた沼津の装美さんは、一発勝負の緊張感の中で、裏打ちし掛け軸に仕立ててくれた。絵の邪魔にならないようによくみると 両脇に細い絹地があしらってある。とても品がよく美しい掛け軸となった。この二人の職人の美意識の高さに驚いた。依頼主の館長は、大喜びで、大感激でした。 紹介せずにはいられない嬉しい出来事でした。 》

 上手いなあ。私には無理。
 夕方、近所のフォトライフシェルパへ行き、掛け軸を勝又氏に披露。いつもどおり仏頂面の彼曰く。掛け軸はシワが寄るからあまり広げないほうがいい。続けて、 屏風もいいねえ。二曲一双かあ。彼は早速パソコンで画像検索。松谷みよ子・文/味戸ケイコ・絵『わたしのいもうと』の表紙絵が、白黒の対比でいいなあと呟く。 ま、その絵は味戸さんに返してあるから。これはおいおい。

 ブックオフ長泉店で文庫本を四冊。原武史『「鉄学」概論』新潮文庫2011年初版、東川篤哉私の嫌いな探偵光文社文庫2015年初版、同『探偵少女アリサの 事件簿』幻冬舎文庫2016年初版、『エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』河出文庫2012年初版、計424円。

 ネット、いろいろ。

《 須賀敦子の本棚 監修の池澤さん「海外文学読む指針に」 》 毎日新聞
 http://mainichi.jp/articles/20180530/dde/014/040/018000c

《  知識の進歩の上に固定される世界において、異なった研究者たちの間で人類学者が特別なのは、そうしなければ、教育のない、無文字あるいは無知であると 簡単に片づけられてしまうかもしれないような人々から進んで学ぼうとするからである。 》 インゴルドの人類学
 http://ingold.blog.fc2.com/blog-entry-3.html

《 ルーブル美術館が扱っているのは、すべて「近代以前」の作品で、近・現代のアート作品はルーブル美術館にはない。19世紀の画家アングルあたりがその境で、 アングルの作品はルーブルと、近代美術のオルセー美術館の両方にある。ともあれ「ルーブル美術館が認めた現代のアート」というのはない。 》 布施英利
 https://twitter.com/fusehideto/status/1002152621895958529

《 モリ=アッキード=アベゲートなのか、(モリ=アッキード)+カケ=アベゲートなのか、閣議決定してもらえると助かる。 》 津原泰水
 https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1002031107271938048

《 昨晩の記憶が蘇る健康食品とかないかなぁ…。 》 喫茶店のマッチ
 https://twitter.com/matchi_cafe/status/1000580371975626752