『デジタルネイチャー』一

 落合陽一『デジタルネイチャー』PLANETS2018年2刷、「第1章 デジタルネイチャーとは何か」を読んだ。軽快にして明快な文章に胸がすく思い。未知の世界がぐっと 開かれる。これは興奮する。引用したい箇所がたくさんある。あえてまえがきから二箇所。。

《 この「非言語的直接変換システム」のパラダイムでは、東洋文明の古典の知見が、あたかも計算処理の繰り返しの末の自然的未来を予見していたように映る。 》  20頁

《 この次元の認識においては、西洋形而上学の二分法的な概念は超克されるだろう。 》 21頁

 つづく第1章は目を剥く面白さてんこ盛り。よっておとなし目なところを。

《 デジタルネイチャーは、〈近代以前〉の多様性が、〈近代以降〉の効率性や合理性を保ったまま、コンピュータの支援によって実現される世界だ。 》 57頁

《 まず「可能かもしれない想像上の産物をイメージする」、これには頭を使うだろう。さらに「さまざまな質問を問いかける」というのも極めてアート的な行為で ある。人類の持つ複雑性とシンプルさ、信念と信用のつながりの中に人は未来を作り出す。 》 68頁

 北一明の言う創造美=耀変を思う。

 朝、用事を済ませ、そのまま自転車でブックオフ長泉店へ。おお、私好みの文庫本がどっさり並んでいる。選べ選べで買った九冊、972円也。講談社文芸文庫から 島村利正『奈良登大路町│妙高の秋』2004年初版、『戦後短篇小説再発見16「私」という迷宮』2003年初版、岩波文庫から『野上弥生子短篇集』1998年初版、 ウィルキー・コリンズ『夢の女・恐怖のベッド』2003年2刷、ラーゲルクヴィスト『巫女』2002年初版、創元推理文庫から紀田順一郎東雅夫・編『日本怪奇小説傑作集 2』2005年初版、同『3』同、それから『血と薔薇 コレクション1』河出文庫2005年初版、ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン青色本ちくま学芸文庫2010年初版 。
 本は重いが気持ちは軽く自宅へ。なんか渋滞してるなあ、と広小路踏切で止まると、すぐ向こうにパトカーと救急車、警官、人だかり。横断歩道に女性が倒れている。 救急隊員が手当している。意識はあるようだ。踏切のすぐそばの横断歩道で軽トラックにぶつけられるとは。自宅前だよお。おっかねえ。桑原桑原。
 家に荷物を置き、自転車屋へ。昨晩、前照灯が点かないのに気づく。接触不良ですぐ直る。無料。よかった。午前中に一日分の働きをしちゃった気分。
 陽射しが強いと体が動きたくなるみたい。午後、来週に処理する予定の書類を、市役所などを自転車で往復して片付ける。さすがに疲れた。が、気が楽に。

 ネット、いろいろ。

《 日本のネットにおいて「ゲームの歴史」と「油絵の歴史」に対する熱さ(ウザさ)の比率は1000対1くらいであることを実感… 》 会田誠
 https://twitter.com/makotoaida/status/1009358440953667585

 近所の喫茶店ボナールのマダムから古い額の交換を依頼されて昨日、友だちと選んだ額を壁に掛けたのだが、訪れる客は全員気づかず。絵は見違えたのだが。

《 都会と田舎の狭間でレム・コールハースが建築を語る 》 SSENSE
 https://www.ssense.com/ja-jp/editorial/culture-ja/deep-diving-with-rem-koolhaas

 本棚にはレム・コールハース『錯乱のニューヨーク』ちくま学芸文庫2002年4刷。いつ読めるかなあ。

《 この「次世代へと伝えること」には2つの位相がある。まずは、現代において評価されるもののサンプルを、次世代に検証してもらうこと。そして、 現代において評価枠がないもののサンプルを、次世代の検証に委ねること。すなわち「伝えること」と「公開」とは、必ずしも一致しない。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/1009706881533673472

 味戸ケイコさんの絵は『日本美術全集 第19巻』小学館採録されてやれやれ。故北一明は、新聞記事では記念館を作る運動があるようだが、全く音沙汰ない。 北一明の陶芸作品は、”現代において評価枠がないもののサンプルを、次世代の検証に委ねる”ことになるな。そのつもり。

《 「無罪判決が出たのに、一切報道がない」プロデューサー佐谷さんが会見…勾留262日、仕事は全て白紙 》 弁護士ドットコムNEWS
 https://www.bengo4.com/c_1009/n_8082/

《 逆に言えば会見中つねに菅官房長官がこのような態度を取らざるを得ないように全記者が質問すべきでしょう。この程度の狭量な男なんだから。 海外の民主国家では記者の当然の務めではないかな。菅氏の度量は今さらどうしようもない。記者クラブの連中こそ責められるべき国民の敵。もちろん望月さん以外の  》 冨田智嗣
 https://twitter.com/satoshiharu2002/status/1009707593462239232

《 後世の人は「この時代の日本人ってバカじゃないの」と思うだろう。私たちが昭和ファシズム期に対して思う気持ちと同じ。対米従属を深め、 国家の統治システムも、国民の統合も破壊した安倍政権を、我々の世代が長期本格化させてしまったのだから。悲惨な現政権は、戦後日本の行き着いた愚かさの反映だ。  》 yukinokakera
 https://twitter.com/yukinokakera/status/1009632019914125312