閑人亭日録

泡坂妻夫引退公演』

 昨日よりもよく降る一日。個展の案内状が届いたり案内葉書を持参されたり、雨なのにご苦労なこと。白砂勝敏さんからは個展が好評というメール。
  https://ameblo.jp/steampunk-powerstone-art/entry-12449664234.html
 昼過ぎ、友だちが激しい雨の中を来訪。思い立って泡坂妻夫の初長編『11枚のとらんぷ』幻影城1976年初版を見せる。フランス装なので、地(けした)が本来は 裁断されていないが、私はペーパーナイフで切り開いて読んだので切れている。地が切断されていない=不良品と見られ、配本した本屋から大量の返品があったとか。 おバカな本屋だね。懲りた版元は次作『乱れからくり』1977年では帯の『11枚のとらんぷ』の宣伝に「アンカット・フランス装」と加えたけど効果あったのかな。 『乱れからくり』本文に付箋が貼ってある。

《  三島から伊豆箱根鉄道に乗った。車内は学生が多かった。江藤の話では、自分のことがニュースで報道されていると言う。それを聞いてから、 人の視線が気になった。 敏夫は電車の隅で、真棹の姿を隠すようにして立った。
  電車は遅く、停車駅は多かった。大仁まで三十分足らずだが、気の遠くなるような長さに思えた。 》 292頁

《 大仁駅を出て、前にある短い坂を登ると、横に商店街が広がっていた。商店街を右に進めば、狩野川に出ると江藤は言った。商店街に入ると、いきなり日が暮れた。 商店の明りが、空を暗くしたのだ。冷気が激しく二人を包んだ。
  傘を買った。雨は弱かったが、傘の中に入れば、それだけ安全な気がした。 》 293頁

 きょうは冬のように寒い雨。こたつも暖房器具も収納してしまったのでエアコンで暖房。友だちに次に泡坂妻夫『生者と死者』新潮文庫1994年初版を見せる。これまた 空前絶後の珍本。表紙にはデカデカと小包の荷札「取扱注意」の絵。左には「『消える短編小説』入ってます!」。下部には注意書き。

《  この本の読み方
   1はじめに袋とじのまま、
    短編小説をお読み下さい。
   2各ページを切り開くと、
    長編ミステリーが姿を現します。 》
  https://www.shinchosha.co.jp/book/144506/

 デザイナーの友だちは、こんな面倒な製本を!と呆れた。帯の「大反響につき復刊!」の惹句が嬉しい2014年の五刷も購入。これは切っていない。未開封の初版も所持。
 午後五時、一気に晴れる。なんじゃい。寒中を自転車で壮大な落日の光を背に受けて近くの本屋へ急ぐ。・・・ない。再び自転車を駆りイトーヨーカドー三島店へ。 がら空きのエスカレーターで三階の本屋へ。ん、創元推理文庫はどこどこ。おお、こんな片身の狭い・・・あったあ!『泡坂妻夫引退公演 手妻篇』2019年初版帯付、 『泡坂妻夫引退公演 絡繰篇』2019年初版帯付を手にする。ほっほっ。やれやれ。4月12日の発行。

《 発売してまだ二週間ほどだが、すでに版元のサイトでは「在庫僅少」になっている。売れ行き絶好調と見える。やはり泡坂人気は根強いと感服した。 》  プヒプヒ日記
  https://puhipuhi.hatenablog.com/entry/2019/04/27/071510

 身に痛いほどの寒さの中、眩しい落日の歓喜の光を全身に受けて帰宅。

 ネット、うろうろ。

《  安倍首相は8日間だから2億数千万にも上る。ファーストクラスで渡航する閣僚は日数や出国先にもよるが、1回あたり1000万~2000万円程度の費用。 トータル経費は実に5億円を超える。

  安倍政権GW外遊ラッシュ 13閣僚“海外旅行”に血税5億の衝撃  》 ジョンレモン
  https://twitter.com/horiris/status/1121543292095590400

《  これ,残業代請求された会社が以後タイムカードを廃止して証拠を残さないようにするのと同じ発想だな。
  やってることブラック企業と一緒じゃねえか。

  大臣日程表、11府省で不存在 2週間で廃棄、「即日」も | 2019/4/25 - 共同通信  》 明石順平   https://twitter.com/junpeiakashi/status/1121602548140404736

《 「モリカケ問題や厚生労働省の統計不正問題などで、説明責任が不十分なまま幕引きが図られたことで、政権に近い人が超法規的に守られているという感覚が 社会の中に広がった」← 公平、公正な社会ではないと多数の国民が感じている、安倍晋三が日本社会に悪影響を与えている。 》 大下賢一郎
  https://twitter.com/kemuchiman/status/1121524408911159296

《 「社会に対するアートの批評性」と言われるものが見事に脱臼され別のものとして利用されていく様を、リアルタイムに見ているのだな。「都庁のねずみ」 の後でまだ「社会に対するアートの批評性」を信じられるのか?という。 》 大野左紀子
  https://twitter.com/anatatachi_ohno/status/1121550087870484480

《 批評的アーティストとしてのバンクシーが、まさにその批評性において統治と市場に見事に貢献してしまう。その水準こそが批評されなければいけない。 現在、美術家の「成功」とは、見事な「従属」の別名でしかない。 》 永瀬恭一
  https://twitter.com/nagasek/status/1121563199793274881

《 石丸 先駆的でしたから。それが意味するのは、“20”=中川正博が早かったと言いうだけではなくて、当時の裏原が世界のセンスをリードしていたんだ、とも 言いえると思います。何度も言うようですが──村上隆さんが現代美術家として大きく世界でブレイクする以前に、同じことを、モードの世界でやっていたわけですよ。 ある種の、時代的な直観だったんでしょう。そして当然のように、中川さんはその後ファッションから現代美術の世界へと居場所を移してゆく……今になって振り返ると、 なるほど、時代の必然を感じます。 / 忘れられた裏原史|GUEST|中川正博  》 HAGAZINE
  https://hagamag.com/series/s0058/3755

《  「キューバのスカ◯ロ大統領の本」「キューバは大統領じゃなくて議長だろ」

  いや、そっちより(笑) 》 TKO
  https://twitter.com/taitaism/status/1121937473142046720