閑人亭日録

「目玉」

 朝日新聞 読書面掲載「 荒川洋治さんが選ぶ平成ベスト本 5冊」の1番目、吉行淳之『目玉』新潮社1989年初版、七編収録の表題作「目玉」を読んでみた。私小説。 私には何がいいのかわからない。落語家の逸話が面白かった。

《  「今日の客には、大きいはなしをしても仕方がない。目玉でかたづけておくか」
   とか言うことがあるそうだ。
  「目玉」というのは、「義眼」という噺(はなし)のことである。吉原に遊びに行った義眼の男が、眠っているとき眼が開いたままだと敵娼(あいかた)が驚くと いけないと、外した目玉を枕もとのコップに入れておいた。入れこみ部屋なので、衝立(ついた)ての向こうののどのかわいた男が、コップの水を目玉ごと飲んで しまった。以来、この男はどうも調子が悪いので、医者へ行く。「これはどうやら、腹の中に悪いものが入っているらしい」という見立てで、尻の穴が道具で ひろげられる。その穴を覗いた医者の顔色が青くなった。
  「先生、どういたしました」
  「いや、尻の穴に睨まれたのははじめてだ」
   ……子供の頃に聞いて、とても面白かった。つまり子供むきの噺ということか。今でも、すこし面白い。 》

 同感。

 某ブログに”画廊主が最近の若い画家は大沢昌助を知らないと言う。芸大生ですら知らないと言ったらしい。”とあった。平成生まれはそうだろう。数年前、某銀行の ギャラリーで梅原龍三郎展をしたとろ、若い行員は知らなかった、と担当した年配の役員はぼやいていた。名前を知らなくても惹かれる箇所があれば興味を抱く。 昭和とともに歴史の底に埋もれていくものは埋もれていく。名前だけで名声を得ていた作品は令和になって名前を忘れられ、作品からは何の訴求力を発することもなく、 忘却の底に沈む。けれども真に優れた作品は、慧眼の士によって発掘、再発見される。去年の秋の小原古邨が好例だ。
 美術品の優劣を判断する三要素は、知識・経験・直観と言われる。私もそう思う。最も定義しづらいのが直観。直感ではなく直観。知識・経験に基づきながら、 それから一旦離れ作品に謙虚に率直に対面する力。とでも言おうか。そして直観が、令和では最も重きを置かれるだろう。知識・経験だけではロクに役立たない時代に。 知識はコンピュータが担う。経験は下手をすると鑑賞(観賞ではない)の足手まといになる。だからといって知識・経験の乏しい者は振り落とされる。

 正午前に最高気温28.0℃。だるいはず。来客用の冬の重い布団ニ組や毛布を干して収納。くた~。

 ネット、うろうろ。

《 量は質に転換する。私がアート作品の質を見分けられるようになるためにとった方法。たくさん展覧会を見に行く。銀座にはたくさん画廊がある。 無料で絵を見られる。足で歩く必要はあるが、毎週銀座の画廊を全てまわれば、かなりの量の作品を目にできる。そのときそのときで、どの作品が良いと思ったか、 自分なりに考える。手法としては、今日見た作品の中で、1つだけ自分で購入するとすれば、どれにするか、そんなことを考えながら見るようにしていた。 あと、いくらまでなら出すか。こんなことをしながら見ていると、かなり判断の練習にはなった。/ #SFCスピリッツ の創造、草稿 》 江渡浩一郎
  https://note.mu/eto/n/n21cd00dc74f7

《 確かに…。若者がなりたくない職業が増えている。官僚、裁判官、教員、警察官、自衛官、それに学者が加わるのか。 》 安田登
  https://twitter.com/eutonie/status/1126848824641638400

 政治屋は?

《  参議院選自民党がいくら大敗しても政権は変わらない。
  しかし参議院自民党過半数割れすると、国会の強行採決は激減するし、与党は野党に気を使って好き勝手できなくなり、政治が少しはマシになる。

  何より安倍一味が力を失い、安倍総理は退陣。
  これが安倍氏の悪夢。 》 Dr.ナイフ
  https://twitter.com/knife9000/status/1126478932352483328

《 チョコレート菓子が冷蔵庫を要求して来るからもう夏だな 》 ドンガメ六号
  https://twitter.com/dongame6/status/1127154343466024960