小体な本(閑人亭日録)

 小体(こてい)という言葉を中井英夫の本で知った(と記憶)。住居や生活がつつましく、質素なさま、といった意味。小体な本は中井英夫では思いつかない。 本棚を渉猟。手にしたのは瀧口修造『画家の沈黙の部分』みすず書房1969年10月30日初版。
 https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=178908288
 付箋が林立。いつ読んだのだろう。付箋を外す。造本装丁ともに簡素で嫌味がなく上品。ソフトカバーだが、それが合っている。
 瀧口修造瀧口修造の私的実験 1927~1937』思潮社1971年12月15日縮約版もほぼ同じ大きさ。ソフトカバーの表紙は白地に中央縦に題名出版社名。これもまたずっと 手元に置きたい軽く小体な本。
 https://www.kosho.or.jp/products/detail.php?product_id=3190095
 ちょっと見では小体=質素な印象だが、手にすると簡素→簡潔・・・豪奢へと印象は変化する。豪奢・・・村山槐多の詩「君に」の二行が浮かぶ。

   げに君は酒とならざる麦の穂の
   青き豪奢

 『瀧口修造の私的実験 1927~1937』の読後には豪奢な読後感を手にすることができる。「絶対への接吻」冒頭。

   ぼくの黄金の爪の内部の瀧の飛沫に濡れた客間に襲来するひとりの純粋直観の女性。

 この白い簡潔極まりない装丁と軽い造本が、小体から反転し、白く輝く豪奢な本に変貌していることに気づく。挟み込まれた小冊子から。

《 デザインの粟津潔氏には、白い紙に黒の活字だけという私の頑固な希望を押しつけつた途中からの依頼を快よく引受けていただいた。 》

 なぜこの二冊だけ本棚に面陳しているのか、わかる。

 ネット、うろうろ。

《 「木の芽時」からの「五月病」からの「梅雨」という満塁状態。 》 柴田英里
https://twitter.com/erishibata/status/1395256560847179778

《 聖火ランナーに、激しい違和感を覚える。緊急事態宣言を尻目に、派手やかに壇上で頬笑み、聖火を掲げる人々。国民の生命よりも、政権の浮上と自身の栄誉を 優先させる菅義偉の、私にはどうも彼らは、被害者にみえてならないのだ。《総統閣下「開会宣言」鉤十字、空をとよもすハイル・ヒットラー》 》 福島泰樹
https://twitter.com/yasukizekkyo/status/1395515148442345474

《 まったく同感。だから、世界標準で見れば、極右、差別主義、野蛮政党でしかない。党内穏健派が弱くなって、どんどんそうなってる。 》  白井 聡/Shirai Satoshi
https://twitter.com/shirai_satoshi/status/1395387314419814405

《 衝撃の質疑。

  介護、福祉現場への日雇い派遣解禁を規制改革会議で求めたNPO法人。このNPO法人内閣府に提出した議事録は虚偽でした。 》 尾辻かな子
https://twitter.com/otsujikanako/status/1395367928447393800

《 こんなことが日本で起きていていいのか? 》 森岡正博
https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1395560304478617601

《 このトーマス・バッハという人物が異様で気持ち悪いのは、開催国の日本でこれだけ命と健康への懸念が生じ、国民の大多数が今夏開催に反対だと知りながら、 平然とそれを無視して「東京五輪を可能にするのは日本のユニークな粘り強さの精神」などとうそぶける面の厚さと無神経。 》 山崎 雅弘
https://twitter.com/mas__yamazaki/status/1395288611528970243

《 現代アートとは新しい「価値」を考えて生み出す行為に他ならない。それ以外の目的で行われる制作は個人の趣味だと言っても過言ではない。 しかし第三者の視点から批評というカタチで「価値」が発掘される場合も多くある。批評が後押しすることで更に「価値」の高まった制作へ進むことも可能だ。 》  笹山直規
https://twitter.com/SuperGood2021/status/1395239934718484481

《 美術品の価値を語る時、「値打ち」と「意味」で方向が分かれていく。僕らは「(歴史的に)意味」のあるモノを作りたいのだけど、世の中は「(市場的に)値打ち」 のあるモノを求める。どちらも含んだ美術作品が理想であるが、それは奇跡と呼ぶに近いモノかもしれない。 》 笹山直規
https://twitter.com/SuperGood2021/status/1395241424535228416

《 作品制作でも、その企画展示でも、あるいは作品鑑賞でもそうなのだけれど、そこで〈選んだもの〉が、その選択基準によって〈選ばなかったもの〉に開かれているか どうか、というのが、クリエーションの基本。テーマやコンセプトを決めて、それに副ったモノゴトを編集するだけでは、まったく鈍愚である。 》 中島 智
https://twitter.com/nakashima001/status/1395558125709651979