『芸術マイナス1』、その他のエッセイ(閑人亭日録)

 『大岡信著作集 第四巻』青土社昭和52年発行に収録されなかった「疑問符を存在させる試み」「芸術 マイナス 一」に続くエッセイ「フォートリエ」「写真の国のアリス」「アンドレ・マルローの映画論」「ケネス・パッチェン」「エヴリマン氏」「アメリカの沈黙」どれも今もって新鮮な力強い印象を受ける。元本、新装版でしか読めないとは何とも残念。引用したい箇所はいくつもあるが、切りがないので一つだけ。「ケネス・パッチェン」という私の知らないアメリカの詩人について書かれたものから。

《 作家論にとって重要なのは、ぼくらが対象の作家から何を与えられたかということよりも、ぼくらが彼に何を与えうるかということだろう。ただそのためには、相手から与えられたものをよく知っておかねばならぬ。ぼくらがおのれの判断を信じうるのは、ひとえに相手につながるぼくら自身のつながり方を信じるからだ。ぼくはパッチェンへのぼくのつながり方を信じる。 》 55頁

 午前、源兵衛川を愛する会の月例清掃へ。軽く汗。