歳末のお掃除といっても普段やっていることに変わりはない。一年のホコリを払う、なんていうと誇りを払う、と勝手に思ってしまう、お年寄り。ま、誇りにも借金にも縁のない生活。四十年余り前、自宅を新築するときには二千万円を銀行から借りた。利息は確か10パーセントを超えていた。そんな高い利息を延々と払えるか、と母と相談して七年で完済。もっと早く完済できたけど、銀行のお願いで・・・。まあ、1980年代は凄い時代だった。こんなことも今書いておかないと忘れてしまう。K美術館用に購入した土地の代金は七千八百万円だったかな。即金払い。美術館の建設費は六千万円だったかな。1997年のこと。あれから四半世紀。金はあるときに使え、と思う。今はろくにないから使わない(使えない)。けれども、金では、いや金だけでは決して得られない充実感というものがある。生きるということはいい思い出をつくること、と若い時から考えているが、この歳(七三歳)になってもそうだな、と実感する。