閑人亭日録

『運命論を哲学する』八

 入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版、「第4章 運命と現実についてもういちど考えてみる 森岡正博」を読んだ。

《 私たちは、言語のある種の極限状況にまで来ている。 》 208頁

《 入不二の問題提起の仕方は、現代の英語圏形而上学とは異なっている。具体的には、「可能主義」「現実主義」「このもの主義」という三つの立場による 枠組みからは良い意味で逸脱している。入不二の現実性の哲学を英語圏形而上学に還元させて理解しようとするのは良くないし、将来の可能性を開かない。 》  241頁

《 ここにおいて、森岡の考え方は入不二と袂を分かつことになりそうである。というのも、入不二にとって「現実」とは「それが全てでそれしかない」ものであるが、 森岡の言う「実在視点」から開けてくる「存在世界」は「没現実」であり、「現実」のさらに外部にあるものである。したがって「現実」とはけっして「それが全てで それしかない」ものではない。「現実」には「没現実」という外部があり、「現実」はそれを取り込めないのである。 》 256頁

 四角いマット、丸い土俵、盤上の熱戦を間近に観戦しているような迫力。呆然と傍観するのみ。

 朝、3日の続き、大通り商店街までの源兵衛川の茶碗のカケラ、ガラス片をほぼ拾う。ここは今期は終了。一汗。コーヒーが美味い。

 ネット、うろうろ。

《 カフェで、しこたま甘いものを詰め込んで、コーヒーをぐびぐび飲もうという巨大な野望が、お店がどこもGW明けの臨時休業という現実の前に挫折した。 》  赤城毅/大木毅
  https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/1125635495575207936

 同じく。

《 「佐川です。お届け物が有るのですが字が読み辛くてお宅の住所が分かりません。申し訳ないですが名前と住所を改めて教えて貰ってもよろしいでしょうか?」 という電話は宅急便を装って電話番号から名前と住所を聞き出す詐欺だから「送り主に聞いてください」と断ればOK。 》 愛猫はポチ
  https://twitter.com/poti1974/status/1125389538317045760

《 僕は荻世いをらさんの「彼女のカロート」にものすごく衝撃を受けて、何度も読み返し、そのたびに驚嘆しているのだが、ネットで感想を見る限りでは、 まったく、まーったく何も理解されておらず、びっくりする。荻世さんの仕事に関してはいつか何か書かなければならないと思う。 》 千葉雅也
  https://twitter.com/masayachiba/status/1125638170362535936

 荻世いをら『公園』河出書房新社2006年初版をもっているけど未読。未読ばっか。

《 アーティストに陶芸を仕込む企画をやっているのだが、全員90%遅刻してくる 》 宮下サトシ
  https://twitter.com/aCki5WYpZuUFtjC/status/1125260282920558597

 あらためて現代美術家村上隆のインスタグラムの文章を読む。

《  僕は15年ほど前から生活工芸系の陶芸にはまりました。(中略)陶芸を愛する、と自称する客の金の使い方、審美眼、 芸術と人生との距離感、など、 本当にあるレベルを超えているのか?という疑問と、超えていない現状を客観的に判断して、断罪する勇気が必要な のではないか、と思うのです。
  同時に陶芸家に対してもキチンとした評価を下しても イイと思ってます。其れが厳しい批評であっても。ではその評価軸、設定されるレベルとはなにか。
  https://www.instagram.com/p/Bwf2Uz_F5jX/

 15年ほど前には北一明の個展はもう開かれていない。

《 「お友達は日本だけ」? 米軍の地位協定、日本と欧州ではこんなに違う 》 沖縄タイムス
  https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190507-00416418-okinawat-pol

《 これまで令和時代ずっと生きてきたけど覚えている限り平日なんて一度もなかったし、令和の伝統と前例にならってずっと休日にすべきじゃない?? 積み重ねてきた時代の風習を軽んじるのは現代人の悪弊では? 》 たけおり
  https://twitter.com/takeori/status/1125368842476146690

閑人亭日録

 『運命論を哲学する』お休み

 入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版、「第4章 運命と現実についてもういちど考えてみる 森岡正博」を読むつもりが一日中外出。 手につかず。

 お昼前、知人の車に友だちと同乗して熱海のMOA美術館へ北齋を見に行く。北齋よりも中国の宋、明、清の時代の絵画に驚嘆。初めて見る素晴らしい作品。眼福。

 ネット、うろうろ。

《  「選挙殺人事件」、北村薫(宮本和男)とシンポ教授のふたりから選ばれた安吾短編、といえるのでは。
  『日本探偵小説全集10 坂口安吾集』と『小説新潮臨時増刊 昭和の名作名探偵』。 》 積読荘の住人
  https://twitter.com/tsundokulib/status/1124658303961714693

《 結局現場の成果主義がないというのが日本の社会の病で、その前に妙なシミュレーション的な競争でエリートと一般人を分け、 そしてエリートはやることに責任を持たない。これは戦前・戦後全然変わらなく、天皇という文化的アクタントが象徴と定義されたとか平和主義になったとか、 それが本質じゃないよな  》 清水高志
  https://twitter.com/omnivalence/status/1125044472759214080

《  山本太郎氏。
  消費税率の引上げ分(5%→8%の分)は本当に全額、社会保障の充実と安定化に使われたのか。
  内閣官房に残り84%の内訳も出すよう要求すると、84%の内訳は出しません、との回答が。
  そんなの許されるの?  》 nak
  https://twitter.com/nak_JPN/status/1124819272918716416

《 きのう読んでいたドイツ人のテーブルマナーの古い本に「おうちのお呼ばれで出されたじゃがいもはナイフで切らずフォークでつぶすこと、 ナイフで切ると料理を作った女主人に対して茹でが足りないというイヤミにとられてしまう」と書かれていて、ドイツ人もいろいろ大変そうだなあと思いました 》  めんこ
  https://twitter.com/yukachev/status/1124487496333545472

《 ところで、半世紀近く前には、東海道線で駅弁を買うなら、東京ではなく沼津といわれてたんですよね。どうも、同じ値段なら、物価が安く、 贖罪も新鮮なところのほうが良いということだったらしい。陶器の入れ物で、お茶を売っていた時代です。 》 赤城毅/大木毅
  https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/1125052839200378882

《 「生前、買ったけど読まなかった本、印刷したけど読まなかった論文、『後で読む』をつけて読まなかった記事が多すぎる人は、 それら全てを読みきるまで成仏できない地獄に落ちる」という話をしたら、複数の人から「それは天国では?」と指摘された。 》 ロボ太
  https://twitter.com/kaityo256/status/1124316927176798208

《 私の絵作りの根っこにあるのは、つげマンガなのだろうなあ。 》 マキエマキ@自撮り熟女
  https://twitter.com/makiemaki50/status/1124850189192220672

閑人亭日録

 『運命論を哲学する』七

 入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版、「第3章 時間と現実についての補遺 入不二基義」を読んだ。じつに濃密な論述が展開されている。 濃密で底が見えない。しかし惹かれる。

《 私の主題は、形而上学的運命論であって、因果的決定論でも物語的(解釈的)運命論でもないし、また論理的運命論それ自体でもない(それを書き換えようと している)。 》 193頁

《  形而上学的な水準での運命論とは、「現実」と「様相」との「関係と無関係」の問題であり、「関係と無関係」の拮抗(中間)としての「運命」は、 「あるようにあり、なるようになる」と表現できると考えている。
  現実の現実性(現に)は、否定の作用域の外で働く力であり、そもそも可能性という相の下にはない。つまり現実は、「どのようであるか」という内容とは無関係に、 唯々(ただただ)「現に」というだけであり、他なる可能性(様相)を持つことができない──内容と否定なくして様相なし──。そのような現実は無様相であるから、 そもそも「必然である」のでもないし「偶然である」のでもない。必然でも偶然でもないということは、可能性(=必然+偶然)という様相のベースが、そもそも 現実に対しては適用されないということである。 》 194頁

 少し引用してみたが、このような論述が展開される。まだ理解できないけどおもしろい(理解できるのだろうか)。

 鑑賞には午前十時の日差しが良いという北一明の言葉に従って、彼の茶碗を晴天のもとで鑑賞。変幻する耀変にあらためて息を呑む。静嘉堂文庫の国宝曜変茶碗よりも このほうがいいよなあ。なんて暴言をぬけぬけと吐くのは私くらいか。ま、蟷螂(とうろう)の斧だけど。しかし、小原古邨が俄に注目されたのを見ると、評価はいつ 激変するかわからない。K美術館の時にはすでに小原古邨は将来値が騰がると業界は予想していた。北一明は陶芸界にケンカを売っていたようなものだから、なあ。 利害関係のない海外ではちゃんと評価されている。果報は寝て待て。死後に果報が届く予感。ま、それでかまわない。歌人塚本邦雄だったか、大器晩成というが、 死んでも晩成しない大器がある、とか。私は大器ではない。知人の彫刻家から偉大なる変人と呼ばれた。これは嬉しかった。
  http://web.thn.jp/kbi/kitaron.htm
 午前十一時から街は歩行者天国。どこから湧くのかこの混雑。お神輿、チアガール、応援団などなど鳴り物が賑やか。というかうるさい。ま、それもいい。愉快愉快。 わしゃ一人飯食う男かな。腹が膨れれば歩く。それにしてもこの人出。年々増えてくる。そしてこのまったり感。これが三島らしさ。カフェで休んでいたら入ってきた 某衆議院議員が私を憶えていたらしく、挨拶して名刺を手渡した。「頑張ってください」とお世辞を述べる。令和で仕事から引退したという85歳の床屋さんと四方山話。 帰宅。ホコ天も終了へ。

 ネット、うろうろ。

《 昭和の終わり、平成の終わり /浅田彰 》 REALKYOTO
  http://realkyoto.jp/blog/asada_akira_190501/

 最後の部分で「クール・ジャパン」がイギリスの「クール・ブリタニア」の模倣であると指摘。情けない政府だ。

《 特別企画シンポジウム「グレアム・ハーマン『四方対象』をめぐって」 》 ハイデガー研究会編『Zuspiel』第2号
  https://heidegger2017.wixsite.com/mysite/zuspiel-bd-2-2018

《 もはや推理小説かぐや姫」の壮大なカラクリ/イザベラ・ディオニシオ 》 東洋経済ONLINE
  https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190505-00278667-toyo-soci&p=1

《 Good morning. 》 Rabih Alameddine
  https://twitter.com/rabihalameddine/status/1124321456769212417

閑人亭日録

 『運命論を哲学する』六

 入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版、「第2章 現代哲学ラボ 運命論を哲学する」後半を読んだ。オツム覚醒。

《 入不二 非常におおざっぱな言葉使いをすれば、相関主義は認識論的なんですね。その認識は人間の認識であり、あるいは概念枠組みによる 認識であり、その認識と相関的にしか存在は可能ではないという考え方です。それに対する批判としてSRと略記されるような思弁的実在論が今、一つの潮流として あるわけです。私は別に、SRをフォローしているわけではないので、ちゃんとしたことを言うことはできません。いくつか読んでいるだけですが、その感触から言うと、 私の論も、やっぱり人間の認識との相関から離脱しようとしているという方向性をもっています。その点では、つまり非人間的な方向を志向している点では、 共通していると言ってもいいので、「イエス」と答えたわけです。 》 149頁

《 入不二 ただ森岡さんが指摘してくれていますが、カントとの接触点もないわけじゃないので一点だけ確認をしておきます。物自体は認識には 引っかからないけれども、思弁的な思考によって思考はできる、っていう点は重要だと思います。つまり認識と思考を分けるのです。 》 150頁

《 入不二 先ほど西田(幾多郎)の話が出ましたけれども、私は現象根源論的な考え方に反対です。現実の現実性には一切、認識も体験も実感も 関係がないので。まったく認識論的ではない、というところを強調していて、認識論的であることと現に現実であることをかなり強く引き離そうと、私の方はしている つもりです。要するに、超越論的領野の「外」を強調しているつもりです。 》 151頁

《 入不二 自由というのをそういう場面で、つまり他行為可能性ではなく、他人生不可能性の方が自由である、というふうに考えてみたいのが その段階です。 》 168頁

 昨夜知人の車に同乗してブックオフ巡り。車はラクチンだねえ。函南店では何もなし。北上して三島徳倉店では単行本三冊、文庫本四冊。小川洋子『猫を抱いて象と 泳ぐ』文藝春秋2009年2刷帯付、津原泰水『猫ノ眼時計』筑摩書房2012年初版、宮脇俊三『殺意の風景』新潮社1985年初版、大原富枝『婉という女 正妻』講談社文芸文庫 2008年2刷、幸田文『番茶菓子』講談社文芸文庫2013年24刷、田中啓文『地獄八景(ばっけい)』河出文庫2016年初版帯付、『米原万里ベストエッセイ II』角川文庫 2016年初版、計二割引604円。

 去年の夏、雑誌『版画芸術』の編集者に雑誌『古今畫林』の合本を貸したがその出版社金港堂の研究書が出ていた。稲岡勝『明治出版史上の金港堂 社史のない出版社 「史」の試み 』皓星社
  http://www.libro-koseisha.co.jp/publishing/kinkodo/

 朝ちょっと作業をすると、もう一日の作業が済んだ気分になる。今朝も年配の知人男性から「無理しないように」と言われた。はたから見ると頑張っているように 見えるらしい。ま、作業を終えた後にそれに気づくが。
 午後昼寝から覚めた午後三時前、暗くなったな、と思ったら雷鳴そして土砂降りの雨。

 ネット、うろうろ。

《 五月四日。寺山修司忌。三十六年前、そうか心酔している作家が死ぬってこういうことなんだな、と、はじめての体験から来る感情を、路傍に転がる珍しいかたちの 石を眺めるように眺めていた。心身から何か大事な気体が漏れてゆくのを感じた。全てが終った気がしていたけど、結局、そこがはじまりだった。 》 荻原裕幸
  https://twitter.com/ogiharahiroyuki/status/1124576955808894978

 中井英夫氏から恵まれた『月蝕領崩壊』立風書房1985年初版、152頁「五月十三日 昨夜風強、きょうも雨催い」より。

《 寺山の弔辞を清書。 》

 153頁の「五月二十日 金 ハレ」より。

《 あと三島のK君、これはいつもタイミングよく、おれがシケこんでいるとき慰めてくれる青年なれど、いきなりテワして来訪。庭でと思うもハエ多く閉口。 》

 手元には寺山修司生前最後の本、『寺山修司全歌集』沖積舎1982年初版サイン入り。往事茫々。

《 昔わたしはサンリオ文庫を悼む人であったが今はもうサンリオを拾う人たちがいるのでとりたてて悼まない。本気で悼むのは福武文庫である。本気で悼む。 誰か出してほしい。ホーニヒベルガーとたるのなかの話とスティーブンスンだけでいいので拾ってほしい。 》 佐々宝砂
  https://twitter.com/pakiene/status/1124322413150216192

 本棚にはエリアーデ『ホーニヒベルガー博士の秘密』1990年初版とスティーヴンソン『自殺クラブ』1990年2刷がある。シュトルム『たるの中から生まれた話』は 未所持。

《 即位後朝見の儀では国民の幸せも世界の平和も「希望する」だったのが、今日の「おことば」では国民の幸せを「祈り」、世界の平和を「願う」に変わった。 この変化は自発的なものなのか、それともどこかから圧力がかかったのか。 》 原武史
  https://twitter.com/haratetchan/status/1124484196531965952

《 自民党ホームページ上に、国民に剣先をむけた宣戦布告の図。この「戦争画」に動員された天野喜孝を皮切りに、今後も迂闊なアーティストたちが、 世論操作に動員され/加担していくことであろう。 》 中島 智
  https://twitter.com/nakashima001/status/1124387325432090624

《 自民党天野喜孝起用に対抗して、野党のどれかがクリスチャン・ラッセンと組んだら死ぬほど可笑しいのだが。 》 津原泰水
  https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1124331624907206662

《 安倍政権が終わったら「あの時は仕方がなかった…」とか「ダメだとは思っていたが苦渋の思いで…」とか議員や役人、メディアマスコミ関係、現在 沈黙してる表現者たち等、すべてを安倍政権の圧力のせいにする輩が続出するだろうけど、あなたたちのほとぼりはそんな簡単に冷めるほどぬるくないんだよ。 》  星田 英利
  https://twitter.com/hosshiyan/status/1124185128882720769

《  まともな総理大臣
  「今日は憲法記念日。国民の皆さんは憲法について、一体どう考えてるんだろう。賛成、反対いろんな集会に出かけて、真摯に生の声を聞いてみよう」

  安倍総理
  「極右集団の改憲集会にビデオをサクッと送ったし、あとは別荘でゴルフ、温泉、ご馳走三昧。楽しんでますわ」 》 Dr.ナイフ
  https://twitter.com/knife9000/status/1124556807806959616

閑人亭日録

『運命論を哲学する』五

 入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版、「第2章 現代哲学ラボ 運命論を哲学する」後半を少し読んだ。入不二と森岡の質疑応答。 これがじつに難解かつじつに知的刺激に満ちていて、ビンビン来る。しかし誤字も。236頁、スライドD・3の「機能棄捨」と「機能喜捨」。喜捨が誤字。

 先月30日に”ネット、うろうろ”で紹介した 《 窯でセラミック彫刻を焼成する際、炎の中で作品に生じる変化を彫刻家はほぼコントロールできない。 》 について”無知だなあ。北一明の前で言ってごらん。”と記したが、北一明『炎の造型 焼きもの新入門』山海堂1985年初版から北の言葉。

《 焼きものの重要なポイントは、炎の主導権を握るということです。自分がこう焼きたい、このように求めたい方向に焼成技術によって、 その目的を達するという姿勢です。このような態度によって、私は、たとえば黒系統の釉調でいいますと、陶芸史上もっとも神秘的で美しいといわれていました 中国の曜変という色調を多様な耀変につくりかえ、その結果として色彩学的に今日まで歴史上存在しなかった色の新概念を想像し開発しました。 》  43-44頁

 侘び寂びについて。

《 つまり視覚が硬直化し動脈硬化現象をきたしてきますと、美の多様性の中のすぐれた代表的美意識の一つとしての「侘び」「寂び」という発想がなくなり、「侘び」 「寂び」以外は美ではないという短絡的視点が生じます。今日の目で客観的に焼きものの美しさというものを考えた場合に、侘び寂びの系譜からくる美しさは、 閉ざされた美意識といってよいのではないでしょうか。 》 20頁上段

《 つまり、焼きものの美的価値という純粋な焼きものの評価の側面と、茶道の道具としての、いわば侘び茶としての道具の使用価値の側面をもっているのが現実です。  》 20頁下段

 朝、令和最初の茶碗のカケラ、ガラス片拾いを、我が家のそばの源兵衛川で行う。重くなったので作業終了。帰宅。汗~。コーヒーが美味い。
 ブックオフ長泉店で文庫本を五冊。井上ひさし『あてになる国のつくり方』光文社文庫2008年初版、岡崎武志『女子の古本屋』ちくま文庫2011年初版帯付、村上春樹 『若い読者のための短編小説案内』文春文庫、ブラッドフォード・モロー『古書贋作師) 創元推理文庫2016年初版、岸本佐和子 編『変愛小説集 日本作家 編』 講談社文庫2018年初版、計ニ割引432円。
 昼過ぎ、友だちと三島の街歩き。なんか若い女性たちが目につく。家族連れも。どちらも地元民ではない雰囲気。平日だと熟年高齢者しか!歩いてない。 それにしても、この広小路駅から三嶋大社までの七百メートル、飲食店が次々に開店。今年だけで甘味処、クレープ店、パンケーキ店からハンバーグ店、串焼き店まで。 なんだろう、これは。自説は、源兵衛川の魅力に惹かれて。

 ネット、うろうろ。

《  日本の大化から令和までの歴代元号を時刻表っぽくしてみました。 》 ナポリタン(端山の人)   https://twitter.com/Y_Hashiyama01/status/1123769141347926020/photo/1

  朝日新聞 読書面掲載の 荒川洋治さんが選ぶ平成ベスト本 5冊です。

  (1)吉行淳之介著『目玉』
  (2)荒俣宏著『プロレタリア文学はものすごい』
  (3)耕治人著『一条の光・天井から降る哀しい音』
  (4)小山田浩子著『庭』
  (5)マーサ・ナカムラ著『狸の匣』  》 四ツ谷書房
  https://yotsuya-shobo.hatenablog.com/entry/2019/05/03/085648

 耕治人『そうかもしれない』晶文社2007年初版を開く。胸を打つ哀しい話だった。「天上から降る哀しい音」を収録。
 本棚から吉行淳之介著『目玉』新潮社を取りだす。1989年9月25日の発行。平成元年か。

《 あらためて平成をふりかえると、最大の災禍として、原発事故と安倍政権成立が挙げられる。いずれもいまだ収束してはいない。 》 中島 智
  https://twitter.com/nakashima001/status/1124179046579834880

《  ざっくり言うね。
  消費税で得られる税収は、約14兆円。
  で、法人税を減税してマイナス9兆円。
  所得税累進課税を減税してマイナス4兆円。
  消費税って、お金持ちの減税の穴埋めをしてるだけ。
  【税と社会保障の一体改革】の約束はおろか、現政権はそもそも社会保障に回す気がないって話。
  おかしくね。  》 umekichi
  https://twitter.com/umekichkun/status/1123968236494651393

閑人亭日録

 『運命論を哲学する』四

 入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版、「第2章 現代哲学ラボ 運命論を哲学する」を少し読んだ。引用不能。じつに難解、じつに 刺激的、じつに面白い。言っていること(書かれていること)は難しくはないと一見思えるが、よく考えてみるとじつに難しい。いや、私の思考能力(すなわち一般人) を遙かに凌駕している。何回読めばこの難解を解きほぐすことができるだろうか。昨今読んできた哲学書の類同様じつに手強い。だけれども無謀にも挑戦したくなる。

 昼過ぎ、友だちと沼津の狩野川~さんさん通り~沼津駅をお散歩。荒物屋の店頭で亀の子束子(かめのこたわし)1号型(小)を見つけ購入。使い勝手が最高。
   https://www.kamenoko-tawashi.co.jp/

 ネット、うろうろ。

《 平成から令和に移行する瞬間、君は何をしていたかな? /風間サチコ「京都から博多まで」 》 窓外の黒化粧
  http://kazamasachiko.com/?p=7998

 私は寝ていた。で、藤圭子『京都から博多まで』をレコードで聴く。でもそんな女、いねえようなあ。いや、昭和の時代にはいたわ~(遠い目)。

《 リアル雪うさぎです~ 》 Paula
  https://twitter.com/amie_riviere/status/1123509951555465216

《  わ令和令和、元号を使わない主義である。
  あ、使てしもた。  》 いかふえ
  https://twitter.com/ikafue/status/1123807969467088897

閑人亭日録

『運命論を哲学する』三

 入不二基義森岡正博『運命論を哲学する』明石書店2019年初版、「第2章 現代哲学ラボ 運命論を哲学する」を少し読んだ。

《 ここでは、因果的運命論でも神学的運命論でもなく、この論理的運命論の方が話の中心ということになります。ですから問題は、何かが何かを決定しているのでは なく、ただそれだけでそう決まっている──しかも、論理と時間によって!──という方向へと、すでに少しだけ話が移動していることになります。 》    78頁

《 ここでもう一つ、四つ目として、解釈的(あるいは物語的)運命論を出して、論理的運命論をそれとも区別しておきたいと思います。 》 87頁

《 排中律と現実性を主な道具としているのが論理的運命論であるのに対して、物語的運命論は先ほど言ったようにストーリーとか意味という道具を使うことで、 偶然の必然化をもたらしています。 》 92頁

 令和最初の吉報が本多正一氏からのメール。教えられて『NHK-BSドラマ「薔薇の殺意~虚無への供物~」を二十年ぶりに視聴。深津絵里主演もすっかり忘れていた。
  https://www.youtube.com/watch?v=q3Y0Tq6AWYA
  https://www.youtube.com/watch?v=GbgIQQTIYjU
  https://www.youtube.com/watch?v=ZZcdEt3XImk

 ネット、うろうろ。

《 「時計じかけのオレンジ」未発表の続編原稿が発見される 》 映画.com
  https://eiga.com/news/20190430/7/

《  「安倍氏は、日本がいま享受している平和と繁栄は、300万人の戦死者のおかげだと述べた」
  「翌日、陛下はそれを否定した。陛下は日本がいま享受している繁栄は、国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識によるものだと、 お言葉で述べた」  》 町山智浩
  https://twitter.com/TomoMachi/status/1123378091311546368

《 明仁上皇が作り上げた「平成の天皇像」は令和に引き継がれるか /原武史 》 現代ビジネス
  https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64406

《 令和日本は「海」と「陸」のどちらを志向するのか /内田樹 》 東京経済ONLINE
  https://toyokeizai.net/articles/-/278468

《 ホワイトハウスの公式のツィッターでは、日米首脳同士の晩餐会ではなく、トランプ夫人の誕生日を祝うディナーに、安倍夫妻が陪席した、ということ。 トランプと安倍が首脳同士、同等の関係を築いているという虚構をホワイトハウスがあっさり打ち砕く。このアカを世界中の1200万人もの人々がフォロー。 》  岩上安身
  https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1123131174686085120

《 すうげぇ。生の動画で見ると腰抜かす。こんなわかりやすい英語で、しかも公式スピーチの一番大事な場面で、「カナダ アンド チャイナ」と言われて 怪訝な顔一つせず、即、握手を求める安倍晋三って。「え、ジャパン…」ぐらい、ぽろっと口にしてくれよ。トルドーが何言ったか、何もわかんないのかよ。 》  岩上安身
  https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1123322666167848960

《  帰ってこなくていいから。
  閣僚:外遊、令和初日が出国ピーク 儀式出席後 - 毎日新聞 》 すう
  https://twitter.com/suzukifm/status/1123365682274373632