飛ぶのはフライト

 午後、沼津市書道家松本武志氏が中国のもう一つの美術雑誌に掲載された記事のコピーを持ってきてくださる。こちらの題は「尊敬すべき日本の友人」。張得蒂女史の上記の文章とほぼ同じ内容。ニ誌に載るとは。結びの文章。
「我が国の経済発展に伴い、このような芸術素養と貢献精神を持つ人もこの崇高な事業に着手するように願っている。」

 ブックオフ長泉店で二冊。出久根達郎「朝茶と一冊」文春文庫2000年初版、ジル・チャーチル「飛ぶのがフライ」創元推理文庫2007年初版、計210円。
 「朝茶と一冊」の「あとがき」が読ませる。
「こんな面白い本があるよ、と人に語る楽しさに、まず気づいたのだ。どんな風に面白いか、あれこれと、まくしたてる時の快さを、何にたとえたらよいのだろう。」

 「飛ぶのがフライ」の原題は「Fear of Frying」 。エリカ・ジョング「飛ぶのが怖い(Fear of Flying) 」を下敷きにしている。この本のことを知らない人がいるだろうから老婆心で。LとRの違い。駄洒落の題だ。フライには Fry と Fly がある。「飛ぶのがフライ」のフライは Fly=ハエに掛けてある。日本人だから楽しめる題だ。
 この主婦探偵ジェーン・シリーズは浅羽莢子訳で、すべて小説の題名を下敷きにしている。
 「ゴミと罰」「毛糸よさらば」「死の拙文」「クラスの動物園」「忘れじの包丁」「地上(ここ)より賭場(とば)に」「豚たちの沈黙」「エンドウと平和」そして「飛ぶのがフライ」。ワカル人にはわかる面白さだ。故浅羽莢子に乾杯。