騙りを語る

 昨日のジル・チャーチルの本で訂正。「忘れじの包丁」は映画「SOSタイタニック(邦題)」(1958年イギリス)のもじり。英語の原題はもじりになっている。記憶だけで書くと駄目だね。
 そういえばタイタニックものの小説、ドナルド・A・スタンウッド「エヴァ・ライカーの記憶」文藝春秋もあったなあ。

 昨日買った出久根達郎「朝茶と一冊」文春文庫には戦時中のスローガンの駄洒落が紹介されている。

  贅沢は 敵だ → 贅沢は 素敵だ

  足らぬ足らぬは 工夫が足らぬ → 足らぬ足らぬは 夫が足らぬ

  欲しがりません 勝つまでは → したがりません つまでは

  進め一億 火の玉だ → 進め一億 火の車だ

 笑って済ませられる今はいい時代だ。しかし、最初のエッセイ「その手は桑名」には考えさせられる。 1994年には既にオレオレの騙り詐欺。
「彼らの手口は、いやもうあきれるばかり巧妙で、あきれるばかり単純なのである。こんな馬鹿なことで人は大金を差しだすのか、と思うと、アキレを通り越して、ゾッとする。」

 ブックオフ長泉店で四冊。久保田麻琴「世界の音を訪ねる」岩波新書CD付2006年初版、保阪正康「昭和史入門」文春新書2007年初版、内田魯庵魯庵日記」講談社文芸文庫1998年初版、橋本治「『三島由紀夫』とはなにものだったのか?」新潮文庫2005年初版、計420円。