本棚ばっか

 昨夜は幅60センチ3段の簡単な本棚を余り板材で製作。板を使いきり、本棚もこれでまずは一杯一杯、この八畳の部屋では他に設置する余地がない。正面にステレオ装置、スピーカー( BOSE 55WER )の背後に本棚、左右の壁は天井まで本棚、ステレオ正面(私の背後)の壁は板扉付きのCD棚と本棚。壁面が本ばっかとこの前書いたけど、これで反響音がとても減衰。スピーカーから出る音がすっきりしていて心地よい。反響音がいかに音を濁らすことか。で、昨夜はジャズ・ピアノのエルモ・ホープ(1923-1967)「 ELMO HOPE TRIO 」1959年録音を聴いた。LPレコード付属、1970年に書かれたレナード・フェザーの解説(翻訳)から。

「彼の44年の生涯は暗く、混沌としたものだった。が、今振り返ってみると、チャーリー・パーカーの時代に生きたミュージシャンの大多数は、そのような人生を宿命づけられていたように思われる。」

 だからといって彼の演奏が暗いわけではない。かといって明るくもないが。同時代のジャズ・ピアニスト、オスカー・ピーターソンの華麗な指運び、ビル・エヴァンスのきらめく指使い、ホレス・シルヴァーウィントン・ケリーらのブルージーな音運び、セロニアス・モンクの飛びぬけた音構成、ソニー・クラークの細やかな響きとも違って、派手でもなく地味でもなく、微妙に屈折したピアノ・タッチの連なりが、連続したモノクロ写真を観るような印象を与える。それはモノクロ写真でしか出せない、清楚で理知的なつつましさだ。

 きょうは曇天。二月というのに何日も曇りか雨。観葉植物に水を遣りながら思った。寒いからってお湯を遣るお馬鹿は ……いないよなあ。

 ブックオフ長泉店で二冊。愛川晶「カレーライスは知っていた」光文社文庫2003年初版、矢野誠一「女興行師 吉本せいちくま文庫2005年初版、計210円。