明日が初日

 昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で四冊。佐藤和歌子「間取りの手帖 remix 」ちくま文庫2007年初版、「田中清玄自伝」ちくま書房2008年初版、「土屋隆夫推理小説集成1 天狗の面/天国は遠すぎる」創元推理文庫2001年初版、吉野裕子「蛇 日本の蛇信仰」講談社学術文庫2000年14刷、計420円。

 「間取りの手帖」は元本を持ってうるけど、これは remix とあるように、音楽と同じく手が加わっている。よくある「加筆訂正」「増補訂正」よりも気が利いている。文庫版も楽しめた。軽快な本だ。「田中清玄自伝」を拾い読み。これまた惹き込まれた。「第五章 ハイエク教授と今西錦司教授」。経済学者のハイエクに田中が聞く。

「いま世界中で、環境の汚染が大きな問題になっていますが、人類は地球環境の問題を解決できるとお考えですか」
 教授はこう言われた。
「残念ながら、ミスター田中、自分はその質問に答えることはできない。なぜなら自分は微生物のことをよく知らないからだ。自分もその問題は非常に重要だと思っており、そのことと微生物の問題とは大きな関係があるとも思っているのだが、自分は微生物学を十分勉強していないから、もっとよく勉強してから、今のご質問お答えすることにしよう」

 微生物に注目しているとは、凡人とは視点が違う。感服。

 ブックオフ長泉店で二冊。折原一「七つの棺」創元推理文庫1992年初版、高井信ショートショートであそぼう」ちくま文庫2003年初版、計210円。

 知人たちが三々五々来館。正式には明日が初日だけれど、みんなそんなことにかまっちゃいない。みんな、木版画の魔術に幻惑される。いや、魅了される。そう、それほどに素晴らしい。「こんなに質の高いのは滅多にないんじゃない。」今回はガラス板無しの展示だから、迫力が違う。