「日本」とは何か

 昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で四冊。ロバート・R・マキャモン「マイン(上・下)」文藝春秋1992年初版帯付、加島祥造「タオ 老子ちくま文庫2006年初版、北川歩実「天使の歌声」創元推理文庫2007年初版、計420円。

 昨夜はサザンオールスターズのLPアルバム「綺麗」1983年を聴く。これは新譜で買っていた。当時気に入っていた三曲「星降る夜のHARLOT」「ALLSTARS' JUNGO」「MICO」を、やはり今も気に入る。「MICO」のアンサーソングのシングル盤MICOの「O−Kay 」も序に聴く。ぶっ飛んだ歌詞を書く井上陽水桑田佳祐がいなかったら、日本の音楽界はひどくつまらなかっただろう。

 網野善彦「日本の歴史 00 『日本』とは何か」講談社2000年初版を読了。これはじつに刺激に満ちた著作だ。良薬か劇薬か。読む人の立場によってどちらにも揺れる問題の書といえるだろう。性急な語り口がややうっとうしいが、書かれていることは目から鱗が落ちる思いだ。既存の日本像を全面的に書き替えようという壮大な意図のもとに書かれた著作。持論に対して大いに反論を待つ、という大上段に構えた珍しく真摯に挑戦的な著作だ。一読の価値が十分にある。

「しかし鎌倉と江戸を『貧しく未開な漁村・農村』と見る誤りの根は深い。それを正すためには、畿内・西国こそ先進地帯で、東国は『未開』な後進地域という、長年にわたって研究者を含む現代日本人に根深く浸透した『常識』、『ヤマト中心史観』を根底から打破する必要がある。それなしには、列島社会と『日本国』の実態を正確に認識することは絶対に不可能といわなくてはならない。」197頁

 ブックオフ長泉店で二冊。吉田修一「悪人」朝日新聞社2007年初版帯付、佐野洋「大密室」ハルキ文庫2000年初版、計210 円。前者は持っているけど初版帯付でキレイなので。後者は元版を持っているけど、三篇追加なので。買う理由はいくらでもつくものだ。