白砂勝敏展三日目

 アメリカが勝ったかな?日本かな?夢うつつに思った。朝、テレビで知った。万歳〜を通り越して空前絶後(だろう)の歴史的熱戦に度肝を抜かれた。どうりで街はすんごく静かなはずだ。皆、テレビ観戦に釘付けだっただろう。夜明け前、テレビを観なくてよかった。ハラハラドキドキそして感涙。寝不足。これでは仕事にならなかったわ。

《 あっ、こないだからの女子サッカーの話題って、これ、ワールドカップだったのか!<今知った。そして驚いた。》

《 いや、女子サッカーすげえとかなでしこ勝ったとかってツイートはたくさん見てきたけど、誰もW杯やってるって書いてくれてなかったんだもん! W杯なのかそれはすごいよ。ずっと応援してきたファンの皆様おめでとう!》

 こういう人、いっぱいいるんだろうな。白砂勝敏氏も知らなかった。

 霞流一『死写室 Death seat 』新潮社2008年初版を読んだ。試写室で死体だから死写室。

《 本書には計八編が収録され、いずれも迷走と妄想の銘探偵紅門福助(くれないもんふくすけ)の冒険譚です。そして、テーマは映画。》あとがき

《 ミステリの本質は短編にあり、という文章をよくめにします。なるほど、ギミックの魅力などがストレートに現れますものね。》あとがき

 その通り、八篇どれも密室殺人、不可能犯罪。ギミック gimmick(仕掛け、新工夫)が効いていて脱帽。実際にやってみれば、首を傾げるものだけれど、読んでいるときには説得力がある。そしてやや乾いたユーモアがあるのが嬉しい。「スタント・バイ・ミー」から。

《 何だか、自殺名所の断崖を切り取ってきたような顔立ちだ。》

《 カバを丸くしたような顔立ちに目が離れてついている。体型も溶け始めた雪だるまを髣髴させた。》

《 「うん、放っておいたら永遠にそこにいるだろうな」
  どう見ても死んでいた。》

《 「死体と鯛焼きは出来立てに限る」
  「腐っても死体か……なあ、警察の俺にそんなこと言わせんな」》