白砂勝敏展最終目

 午前十時過ぎから来館者。ちょっとあわてる。賑やかに無事終了。やれやれ。

 山田正紀『人喰いの時代』徳間書店1988年初版を読んだ。

 「人喰い船」から「人喰い博覧会」までの「人喰い〜」六篇の連作になっている。特高警察が跋扈していた昭和十二年頃の事件を扱った短編五編が、「人喰い博覧会」の五十年後の現代に鮮やかに収斂、反転させる見事な手際。本格ミステリの秀作だ。霞流一『夕陽はかえる』への不満を解消。

《 この連作物語は、呪師霊太郎(しゅし れいたろう)というふしぎな男の探偵奇話ともいうべきもので、霊太郎に身近に接していた椹秀助(さわら しゅうすけ)の思い出ばなしを、できるかぎり忠実に記録したものである。》11頁

 『人喰いの時代』は徳間文庫1994年、ハルキ文庫1999年と二度文庫になっている。単行本にあった図が文庫では無くなったり、「あとがき」が文庫で違っていたり。それはさておき、日中戦時下、太平洋戦争へ突入する前の暗い時代(人喰いの時代)背景を巧みに取り入れた本格ミステリとして記憶に留めるべき作品だろう。

 ネットの拾いもの。

《 さてと、中国の高速鉄道の安全性について、論文でも書くか。

  ジェットコースターよりも危険な乗り物であると。 》