先月催された「生態系に配慮した川づくり研究会」の議事録資料(初稿)が届く。一昨日源兵衛川の自然観察会を指導してくれた先生の発言。

《 環境教育教材で絶滅危惧種・希少種を大切にするのは重要だが、最近は、普通のものが何かがわからなくなっている。普通種の存在の意味に踏み込んだほうがよい。源兵衛川を見るときに、希少種や絶滅危惧種だけでなく、普通種=「普通の自然とは何か」の視点を入れることが重要。》

《 先日、○○さんと現地を歩いてみたが、やはり源兵衛川は人間が管理している川という認識を持たないと、7ゾーンのように放置されてしまうと自然度が落ちる。ホトケドジョウなどが生きるための環境を、積極的に人間が管理してつくっていくというスタンスがないと、自然状態に任せきりにはできない。 》

 7ゾーンとは源兵衛川の最終地点で、国道1号線周辺。

 画家の福山知佐子さんの12日のブログに原発止めろデモ参加の様子。

《 柄谷行人登場!「デモで社会を変えることは必ずできる。デモをする社会をつくれるから。」「選挙などの方法はデモがなければ機能しない。」「デモは日本の社会を根本的に変える。」デモの重要性と可能性。》

 デモから離れて四十年近く。血が騒ぐ。

 F・W・クロフツ『樽』創元推理文庫1988年53版を読んだ。1920年の発表。推理小説の古典として知られるこの小説、長いのと地味な印象があって、たなざらしだった。気を引き締めて読んでみると、これが意外と読みやすい。地道な捜査が綿密に描かれているのだけれど、それが退屈にならない。やや冗長だけれども、他の推理小説のようなつまらぬ探偵談義がほとんど見られないからいい。鮎川哲也の先達という評価は正しい。しかし、再読するか、と訊かれればしないだろうと、応える。『東西ミステリーベスト100』文春文庫1992年3刷では第7位に入っている。

《 フリ−マン・ウイルス・クロフツは、英米では今や忘れられた存在に等しい作家だが、わが国のミステリー界に決定的な影響を与えた人だ。》

《 代表作「樽」は、現在読むと、アリバイ破りの本格物というより、リアリズム警察小説の元祖という雰囲気を感じる。》

 展示した安藤信哉の絵を収蔵庫へ。同時に次に展示する絵を出す。この入れ替え作業はいつもながら細心の注意を払い、疲れる。無事すんでほっ。ふう。苦笑ネタでねぎらう。

《 伊達や酔狂でいきている 》

《 貧乏 暇ばかり 》

《 クラス会でお前いくつになったと聞く奴がいた 》