白砂勝敏・木彫の椅子展最終日

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。柳広司『ダブル・ジョーカー』角川書店2009年2刷帯付、津村秀介『孤島』講談社文庫1998年初版、計210円。あ、こんな本が、と手を伸ばしたら、私の売った本だった。ブックオフとえばこんな話題。

《 棚を見はじめると、ビームセドリと呼ばれる人がいた。

 今までのセドリは、本の表4(裏表紙)に印刷されているISBNコード(国際図書標準番号)をケータイで入力して、価格や売れ行きランキングを調べ、仕入れるかどうかを判断していた。今年に入って増えているビームセドリは、小型バーコードリーダーを使って、2段バーコードを読み取ることで、作業効率を高めているようだ。棚のすべての本をサーチすることを全頭検査というと聞いて笑ってしまった。それにしても、2段バーコードがまさかこんなカタチで使われる時代が来ようとは思わなかった。》

 ケータイセドリはこちらでも見かけるようになった。

 アーチスト会田誠の発言。

《 美術(芸術、アート、contemporary art)とは何か──このような問いを前提に作られるものは、すべて近い将来滅びる運命にあるだろう。美術であろうがなかろうが、作りたいものを作る/作るべきものを作る/生きたいように生き、その痕跡として何かが残る──そのようなものしか後世には残らないだろう。》

 展示中の白砂勝敏氏の木彫椅子を見ていると、この発言にうなずく。白砂氏は、何も考えずに彫り込んでいったら、こんな椅子になった、と言う。木の無言の声を聴いて出来上がった椅子だ。だから、ほとんどの人が木の感触を手で撫でて確かめている。無意識に。これはすごいことだ。展示品は、売れた作品以外は多くを半年間、展示予定。さらに多くの人にその感触を楽しんでもらいたい。

 好評裡に無事終了。やれやれ。