2012-12-28 折りたたみ折りたたみ 曇天の寒い朝。 照屋眞理子句集『やよ子猫』角川書店2012年12月25日刊を読んだ。気に入った句から。 はるばると生(あ)れて月見るこの世かな 切株の夢の梢に小鳥来る 折りたたみ折りたたみ冬の中にゐる ひぐらしや余白のごとき刻を得て さくら貝その名のあはれ拾ひけり 藤の花逢ひたきときは目を閉じて 思ひ出に濡れてしづかな夏の雨 闇ゆたか胸に狼棲みてより 理智が時により目立つきらいがあるけれど、危ういところで情理のバランスがとれている。帯の自選十句とは、切株の、さくら貝、藤の花の三句が重なった。